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【特集】軒先リアカー おむすびユニット

暮らし

永野さんご夫婦が営むのは中央区輝国の住宅街にある、おむすび専門店「おむすびひばり・丘の上店」。季節によって変わるひと癖ある8種類のおむすびを販売しています。およそ70℃で3日間熟成した、もちもち食感の「寝かせ玄米」を使い、その上にチキンケバブやベーコンエッグなど、バラエティ豊かな具材がのっています。
北九州のカフェで料理を担当していた裕和さんと、作業療法士だった薫さんが、結婚を機に夫婦で楽しく生き抜くための生存戦略の活動…それが「おむすびユニット」。その大きな柱がお金に対しての向き合い方でした。

”生活する上で欠かすことができないモノ。
それは『家』である。
だけど、家の住むには条件がある。
『家賃』だ。この家賃ってのが、時に雨や風よりも厄介者で、
こっちがどれだけ蓄えが少なくても毎月納めなくてはならない。
毎回打席に立ってホームランを
打ち続けなければならないのだ。
ハトはいい。
公園に行けば誰かがエサをくれるだろう。
彼らは家賃を払っていないのに、なんと自由に生きているのだろう。
『もしかしたら、家賃を払っていないから自由なのかもしれない』”

プレッシャーになっていた家賃問題は、妻・薫さんの祖母の家を活動拠点にすることができ解決。大きなリフォームもせず、営業許可を取得できました。

軒先リアカーでおむすび移動販売

永野さんご夫婦は独立するにあたり、街中の軒先や私有地を借りて移動おむすびの販売を計画していました。この日の販売は西公園入口にある銭湯の軒先。月1回の朝風呂の日に合わせて出店しています。到着してすぐに開店待ちの行列ができるほどの大人気。おむすびを買い求めるお客さんの多くは、大濠公園を走るランナーの方々。軒先を借していもらっている分、自分たちは店や街も盛り上げたい!という思いも強いのです。「街と店と人をつなぐ」をモットーに、夫婦は今日もリアカーを引いています。

自分らしさはあきらめること⁉

今は、おむすびリアカーというツールを使い、笑顔で活動する永野夫妻。楽しく生き抜くための根底にあるのは「自分らしさ」。永野さんご夫婦にとって「自分らしさ」を問うと「あきらめること」だと言います。

話しかけるの苦手だから”あきらめる”
仕事が苦手だから勤めることを”あきらめる”
営業するのが苦手だから”あきらめる”
お金のことを考えるのが苦手だから”あきらめる”
店舗経営するのが苦手だから”あきらめる”

…で、余ったできるところだけをやる。それが結局、他の人から見たら自分らしさになっている、と二人は話します。「自分らしく」…そんな生き方を選択した永野さん夫妻。「あきらめる」を「ポジティブに」。これからの時代の生き方のヒントになるのかもしれません。

◆おむすびひばり 丘の上店/福岡市中央区輝国
出店:毎月第3土曜日
時間:午前9時30分~
Instagram @omusubihibari2.0
※詳しくはInstagramをご確認ください

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