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ウクライナ侵攻で木材高騰 佐賀の業者「ダブル、トリプルパンチだ」

ロシアへの追加の経済制裁を先週、岸田総理大臣が発表しました。
ロシア産の石炭の輸入禁止、機械類、一部木材などは今週中にも輸入禁止とします。
輸入木材を扱う業者や住宅メーカーは、先が見えない状況に不安を募らせています。

9日と10日の2日間、家具のまちとして知られる福岡県大川市で、春の木工まつりが開催されました。
テーブルやベッドなど約1万点の新作家具が、通常よりも3割前後安い価格で販売され、買い物客で賑わいました。

その一方で今、木材の値上がり、いわゆる「ウッドショック」が起きています。
新型コロナの影響でテレワークが普及したことから、アメリカや中国で住宅の需要が急拡大したため、木材が取り合いの状態となり価格が高騰しています。

そこに拍車をかけているのが、ロシアによるウクライナ侵攻です。

●記者リポート
「こちら建築資材で使われるロシア産のアカマツですが、ウクライナ侵攻によって価格に影響が出る恐れがあります」

●木材輸入業者
「ロシアの材木はシートをかぶっている分。全部ロシアの分ですね」

佐賀市諸富町の木材輸入業者・佐藤木材です。
地元のほか、福岡県大川市などに木材を供給していて、これまでは仕入れの約1割がロシア産でした。

●木材輸入業者
「基本的には建築用の木材と家具用ですね。アカマツという木材で、ロシアが大きな輸出国の一つ」

ロシアは世界の森林面積の5分の1を占める森林大国で、日本も外国材のうち14%がロシア産です。
ウッドショックでロシア産への期待が大きくなっていた中、各国がロシアへの経済制裁を強めたため、物流は混乱状態となっています。

●木材輸入業者
「これから入手が難しい。現状はまだ流通在庫もあるし、そこまで深刻化はしていないが、これから入ってくる分の入手が見込めない。徐々に減っていくばかりになる。現状からいうと、我々も業界入って25年になるが、経験したことないようなことが起きている。先行き不透明ですし、不安が募るばかりですね」

不安を抱える一方、佐藤社長はロシアから木材を仕入れることに対し、心理的な抵抗感もあると言います。

●木材輸入業者
「正直、ロシアの木材が入ってこないとなると、会社として痛いのは痛い。人としてということを考えると、ロシアの木材を買うわけにはいかないという気持ちはある。現状は葛藤があるというか、侵攻が続いているうちは、そういった国の木材を扱うことは、なかなか人道的にやっぱできないなあと思うし、国もそういった方向で制裁かけてるわけですから」

こうした中、注目が集まるのが国産の木材です。しかし・・・

●木材事業協同組合の理事
「ウッドショック、円安の影響でえらい高くつく。国産材でいきましょうという動きは、当然ある。しかし、そんな突然言われたってという話よね。国産材が増えていくかもしれないが、スピード的に間に合うかどうか。今、円安じゃないですか。ダブル、トリプルパンチだ」

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