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話題のドラマ『サンクチュアリ -聖域-』脚本家が語るヒットの裏側

ラジオ

ヤンチャな力士を主人公に据えながら角界の裏側を描き、世界中で大ヒット中のNetflix配信ドラマ『サンクチュアリ-聖域-』の脚本を手がけた金沢知樹さんが5月29日、RKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』のインタビューに応じ「描こうとしたのは大相撲界の『白い巨塔』だった」と、制作秘話を語った。

金沢知樹 長崎出身。地元を舞台にした映画『SABAKAN』で監督を務めたほか、TBSテレビ『半沢直樹』の脚本も担当したいま注目の脚本家。かつては芸人として活躍、『あいのり』にも出演したことがある。福岡を拠点に活躍するゴリけんとは芸人時代からの友人。

「日本でヒットするとは思っていなかった」

『サンクチュアリ –聖域-』は「世界に刺さりゃいいかな」っていう思いで作りましたが、まさか日本でここまで話題になるとは思っていませんでした。というのも、ドラマに出演する力士役は1年半ぐらいかけて体作りしないといけないから、有名俳優のスケジュールは押さえられません。

染谷将太さんや親方役のピエール瀧さんはいますが、(体作りが必要な)メインになる人たちがほぼ無名という中で、「これ(日本国内では)誰も見ないだろうな」って思っていました。昨今人気のアイドル系でもないし、監督の江口カンさんはどう思っていたか分かりませんが、僕個人としては、相撲って男くさいし、見られないと思っていましたね。

ところがTwitterとかを見ていると、大好きな漫画家さん、例えば「GANTZ」の奥浩哉さんや「Bバージン」「絶望に効く薬」の山田玲司さん、「キングダム」の原泰久さんといった方々が絶賛していたり、有吉弘行さんをはじめとする芸人さんたちがラジオで僕の名前を出したりして、日本でも話題になったというのがびっくりしました。
 

描こうとしたのは大相撲界の『白い巨塔』

大相撲は高校生の頃好きでした。当時、曙が関脇から大関になり、若貴兄弟や琴錦といった人気力士がいっぱいいて、一番盛り上がっていました。そんなこともあって、Netflixとドラマ制作について打ち合わせをしたときに「金沢さんは何やりたいんですか?」って聞かれて、「大相撲界の『白い巨塔』がやりたい」って言ったんですよ。

「くそがぁ!」「○○親方ぁ!」というセリフが出てくるような、親方同士の権力闘争って絶対あるじゃないですか。貴乃花親方の理事長選挙とか、かつてニュースになりましたよね、。そういうのをやりたいって言ったら「めちゃくちゃ面白い! やりましょう」って、即決でした。

大相撲界の取材はしない

脚本を書くにあたっては、取材しなかったんですよ。大相撲って序の口から始まって、幕下そして十両という序列や、このぐらい勝ち越したら、次はここにいける、みたいな、そういうある程度のルールだけは調べていますが。

作ろうとしているのはノンフィクションではなく、フィクションですから。あまり取材をしすぎると、そっちに引っ張られて、ドラマが書けなくなると個人的に思っています。『白い巨塔』を書いた山崎豊子さんは取材を徹底的にすることは聞いていますが、ドラマを盛り上げるために、僕はなるべく取材をしないようにしていますね。

その一方で僕以外の制作スタッフや監督がちゃんと調べて、肉付けしていきました。たとえばドラマのシーンに出てくる、取組を決めるときに、碁石のようなものを使っていることは(脚本を書いている時点では)知りませんでした。スタッフがリサーチをしてくれて、リアリティを出していったという感じですね。

リアリティを追ってもドキュメンタリーに勝てない

僕個人の意見ですが、ノンフィクションの部分を追っていっても、ドキュメンタリーには勝てないと思うんです。だって、ドキュメンタリーは圧倒的に真実に近いじゃないですか。ドラマとしての面白さは、よくいう「イッキ見」をさせるためにはどうしたらいいんだろうかという、構成をすごく考えますね。

もちろん「こういうドラマが始まります」と予告が始まった途端に「この主人公が角界の頂点を目指していく物語だろうな」って予想がつきますよね。確かにその通りなんですけど、それを8話でどう飽きさせずに見せるかということに、一番頭を使いますね。
 

インタビューは4日連続で放送

今回のインタビューのもようは、5月29日~6月1日の4日間にわたって放送する。『サンクチュアリ -聖域-』の話だけでなく、出身地である九州のエンタメ業界について「東京に負けないくらいに成長させたい」といった将来の展望についても語る。

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