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夏空の灰

2023年第9回 
制作:NBC長崎放送
ディレクター:古川 恵子

長崎には『被爆体験者』と呼ばれている人達がいます。
原爆放射線の影響はないとされる一方、被爆体験がトラウマとなった精神疾患が認められる場合、対象疾患に医療費が給付されている人達です。
長崎の被爆地域は南北約12キロ・東西約7キロ。
国が放射線による健康被害の可能性を認める“爆心地から5キロ”を基本に、当時の行政区分で線引きしたものです。
せめて12キロの同心円に是正して欲しいとの訴えを受け作り出されたのが『被爆体験者』(12キロ以内の被爆未指定地域)でした。

被爆体験者達はべたついた黒い雨や大量の灰を浴び、鼻血・脱毛・下痢などの症状に見舞われたと言います。灰が積もった水や野菜、米などを食べて生活し、家族や近所の人が、がんで次々と死んでいったと訴えています。
放射線を体内に取り込み、内部被ばくしたのではないか?
広島高裁は2021年、被爆未指定地域で「黒い雨」にあった人達に対し、「内部被ばくによる健康被害が否定できない」として被爆者と認める判決を言い渡しました。遠くは爆心地から40キロ離れた人を含む約4千人が、新たに被爆者と認められています。
40キロで認められる広島、8キロでも認められない長崎―格差はなぜおきているのでしょうか?

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