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魚鱗癬と生きる ~遼くんが歩んだ28年~

2023年第10回 
制作:RKB毎日放送
ディレクター:川内 信江

 

「絶対、理解してくれる人はいる」。自信を持ってこう言うのは、北九州市に住む梅本遼さん(28歳)。遼さんが生まれ持った病気の名前は「魚鱗癬(ぎょりんせん)」。遺伝子の異常で全身の皮膚が鱗のように硬くなり、剥がれ落ちていく国指定の難病だ。日本全国で約200人の患者がいると推計されているが、現段階では根治療法はない。人にうつることはないが、見た目の印象もあり、遼さんは幼い頃から偏見や差別にさらされてきた。遼さんの母、千鶴さんは数少ない患者とその家族のネットワークを作ろうと、2002年に「魚鱗癬の会」を立ち上げた。年に1度、福岡に集まり交流を深めるほか、病気への理解や医療費の助成、薬の開発を訴える活動を続け、2015年、難病指定に至った。

 

一方で、遼さんは進学や就職などの節目で大きな壁にぶつかってきた。家族や周囲の支えを受けながら一つ一つ乗り越えて道を拓いてきた遼さん。2023年3月、遼さんは結婚した。こどもに50%の確率で病気が遺伝すること理解した上で、結婚を決めた桃香さん。二人の結婚は他の魚鱗癬の患者やその家族にも希望を与えている。RKB報道部が23年に渡って取材を続けてきた、難病と共に歩んだ青年の成長の記録。

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