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「オリジナリティ」が逆に強みになった 福祉事業所のアトリエからうまれたデザイン 海外に進出

12月3日は国連が定めた「国際障害者デー」 大手コンビニエンスストアの看板商品のデザインを手がけるなど、日本で活動する福祉事業所のメンバーが、活躍の場を海外に広げています。 彼らが描いたデザインが、初めて海を渡りました。

アトリエは佐賀県の病院内

 

「PICFA」のアトリエは、佐賀県基山町の病院内にあります。障害をもつメンバー20人が日々、仕事として創作活動に取り組んでいます。
そのデザインに注目が集まり、彼らが描く絵やデザインは、これまでも地元の小学生全員に配布されるブックバッグや、酒蔵の商品パッケージなど、様々なところで採用されてきました。今年4月には、期間限定ではあるもののローソンの看板商品「からあげクン」のパッケージにデザインが採用されるなど、活躍の場は全国へと広がっています。

バッグブランドのデザインに採用

 

PICFAに11月上旬、大きな荷物が届きました。

「中国から商品が送られてきたのでじゃじゃーん、みんな回して1回見てみて」
「かわいいめっちゃかわいい」

メンバー4人の描いた絵が、アジアで展開するバッグブランド「CILOCALA(シロカーラ)」の商品デザインに採用されたのです。自分や仲間のデザインが入ったリュックにショルダーバッグ、ポーチといった商品を見て、メンバーは大喜びです。

笠原鉄平さん
「いいですねかわいいですね」

加田有紀さん
「うれしいです」

中川原あすかさん
「自分の作品がバッグとか商品になっているのを見て言葉にできないくらいうれしい思いです」

中国や韓国でも販売「オリジナリティ」が強みに

 

今回のコラボレーションは、「シロカーラ」の園田社長が福岡市で開かれたイベントでPICFAのデザインを目にしたことがきっかけで実現しました。

CILOCALA 園田康二社長
「オリジナリティですね、彼らしかないものを僕は感じるので、そこに惚れました」

商品はインターネットだけでなく、中国・韓国などの店舗でも販売されています。

CILOCALA 園田康二社長
「PICFAさんは日本だけで活動されているので、海外の代理店に説明してもあまり分かってもらえないのかなと思ったんですが、逆に『だからやりたい』と、各国の代理店に賛同してもらえました。僕自身も驚いています」

海外からの予想を超える反響に、PICFAの施設長、原田啓之さんも、大きな期待を抱いています。

PICFA施設長 原田啓之さん
「まさかの、中国韓国ほか3か国からオーダーがどんと入ったみたいです。商品が売れたらメンバーの工賃になります。また、日本の福祉・アートをやっている施設がこういう取り組みをして企業と福祉が繋がっているということを知ってもらえると、彼らの人生が広がり、もっともっとチャンスがあるんじゃないかと、今すごく感じています」

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