旬を凝縮!まるごとオクラ
オクラの生産量日本一の鹿児島県。その8割を占めるのが温泉地としても知られる指宿市。温暖な土地に広がるオクラ畑は今年も収穫の最盛期を迎えた。そのオクラの新たな可能性を拓く企業がある。有限会社エール。
工業用センサーなど電子部品を製造しているが、およそ20年前に作り始めたのがオクラの包装ネット。代表の倉本哲さん(52)は地元の農家を回る中、生産量が多いがゆえ規格外など市場に出回らないオクラが出ることを知り、新たな活用法を考えた。
ポリフェノールや食物繊維が多いネバネバ野菜、その栄養をより手軽に食べられるよう編み出したのが粉末化、オクラパウダーだ。オクラ100%、サラサラのパウダーは水分を加えるとネバネバが復活する。とろみ付け、パンや麺類を作る時の「つなぎ」にもなる。
つなぐのは食材だけではない。作業を地元の就労支援施設と協力し合うなど、地域のつながりも目指している。もの作りの視点から粘りのアイデアを生み出す町工場の挑戦を追う。
会社名:有限会社エール
代表者:倉本 哲さん
住 所:鹿児島県指宿市開聞十町129-2
TEL:0993-23-0030
FAX:0993-32-3862
ホームページ:http://okra.yell-ibusuki.com
営業時間:9:00~17:00
休み:土曜・日曜・祝日
取材後記
ハウスから露地栽培まで半年間収穫期が続く指宿のオクラ。暑さとともにぐんぐん成長、夏場は休みなく収穫が続きます。市場には出荷規格があり、大きすぎても規格外。そういったオクラを、包装用ネットを手がける町工場が加工・商品化しています。
独特のネバネバ感があるオクラ、実は乾燥野菜には向かず試行錯誤を重ねてパウダー化。夏野菜の名脇役は加工品としてもさまざまな食材を支える「粘り」を持っています。「オクラスイーツ」いったいどんな味わいなんだろう?と思いますよね。
オクラパウダーそのものは、ほとんど味がないんです。引き立て役として活躍が期待される奥ゆかしい旬野菜、収穫はまだまだ続きます。
(MBC南日本放送/布袋 貴代江)
この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう