すぐ食べられる!レトルトがゆ
袋を開けて、すぐに食べられる―。災害時、電気、水、ガスもなく、食器や箸がなくても、片手で押し出してすぐに食べられるレトルトのおかゆ、その名も「ポケットに!白粥」。開発したのは、レトルト食品などの製造・販売を手がける大分県国東市「株式会社エコデパック」社長の重岡孝士(しげおかたかし)さん(67)。
飲み口を付けたレトルト容器から直接口にでき、外装には一般的なレトルトパックより感触のよいナイロンを使用。防災食として備蓄も可能で、製造から1年ほど保存できる。これまで、白がゆのほか、酢飯や飲料水を入れたレトルト商品なども開発した。
重岡さんが飲み口を付けたレトルト容器の開発を始めたきっかけは、2011年の東日本大震災。震災の影響でペットボトルの供給が遅れたことを知り、新たな容器を考案した。熊本・大分地震の際には、重岡さんが実際に被災地に商品を届け、大変重宝された。
レトルトがゆは糖尿病食にも採用される「高アミロース米」が使われ、服薬の補助材としても利用できるため、防災食だけでなく、介護の分野からも注目を集めている。レトルトがゆの今後の可能性と、「新しい形の食として広めていけるよう、開発・改良を進めていきたい」と意気込む重岡さんの活動に迫る。
会社名:株式会社エコデパック
代表者: 代表取締役 重岡 孝士さん
住 所:大分県国東市安岐町瀬戸田805番地1
電 話:0978-97-4509
ホームページ:https://ecodpack.com/newindex.html
取材後記
初めてエコデパックの商品を見たとき、レトルト容器から直接中身を食べられるのは画期的だと思いました。お皿など食器もいらないので、準備や片付けも必要ない上、携帯性もよく、かばんなどに入れて簡単に持ち運べます。地震など有事の際はもちろん、登山などのアウトドアシーンでも活躍する商品だと思います。
現在はインターネットでの販売が中心ですが、今後はホームセンターなど店頭での販売も広めていくそうです。東日本大震災をきっかけに、飲み口のついたレトルト容器の開発を始めた重岡さん。当時はうどん店の営業をしながらでしたが、現在うどん店の方は一時的に休業。
防災食として、また介護食として広く利用してもらうため、認知度を高めていくとともに、保存期間をのばすなど製品の改良も行っているといい、レトルト食品の開発に全精力を注いでいます。現在、重岡さんはレトルトの「すし飯」を大きく売り出そうとしています。アメリカの日系スーパーとの商談も進んでいるといいます。防災や高齢化など世界共通の課題だけに、今後、エコデパックのレトルト食品に注目が集まりそうです。
(OBS大分放送/田中 智基)
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