福岡で長年にわたりワイン文化の普及を牽引してきた「ワインショップ ニコラ」。そのレストランとして愛され続けてきた「Le Chevalier(ル・シュバリエ)」が、開業20周年を迎えてリニューアル。2026年4月10日、大名から住吉へと舞台を移し、新たな章をスタートさせました。
大名時代のレストランはボルドー風の白い洋館が印象的でしたが、新たな舞台のエントランスはグッとシックに。ビルの7階という場所も相まって、少し隠れ家的な雰囲気が素敵。ワインカーブを思わせる重厚な扉と“シュバリエ=騎士”の像に迎えられ、店内へと足を進めます。
重厚なエントランスを抜けた先には、白を基調とした晴れやかなフロアが。整えられたクロスの上には赤いショープレートとシルバーのカトラリーが輝いています。「Le Chevalier」らしいクラシカルで高揚感のある雰囲気はそのままに、より居心地の良い空間へと進化していました。
エントランスの右手奥にはモダンなカウンターに面した厨房があり、シェフの上揚圭さんが迎えてくれました。上揚シェフは、かつて春吉にあった「Fujiwara」からキャリアをスタート。福岡フレンチ界のレジェンド・藤原慎吾シェフの元で6年にわたり修業を重ね、東京の星付きレストランでも研鑽。やがて帰福し、渡辺通の「リストランテ フォンタナ」にて料理長を務めた後の2016年、「Le Chevalier」の2代目シェフに就任しました。
ご存知の方も多いかも知れませんが、実はこの場所は昨年惜しまれつつ幕を閉じた藤原シェフの店「グランシャリオ」の跡地。「偶然の導きではあるものの、師匠の立っていた場所で腕を振るうことができ、身が引き締まる思いです」と上揚シェフは話します。
コースは予約制で、ランチ、ディナーコースともに3種類を用意。今回はディナーコースの1つ「ル・シュバリエコース」(16,500円)をいただきました。まずは2品のアミューズ「ゴールドラッシュのムース」と「黒米、セップ茸、鮑のリゾット」が順に供され、次にオードブル「フランス・ロワール産のホワイトアスパラガスとオーマルエビのサラダ仕立て」が登場しました。
4~5月に最盛期を迎えるロワール産のホワイトアスパラガスは、太く柔らかく、ジュワッと滴る甘味とほのかな苦味がたまりません。ミキュイ(レア)に仕上げたオマールエビの弾ける食感と旨味も贅沢。卵とチーズで作るエスプーマ仕立てのソースや、爽やかな甘味と酸味が広がるオレンジとマンゴーのソースも主役のおいしさを引き立てます。
上揚シェフのモットーは、その場、その瞬間のおいしさを皿の上に表現すること。九州をはじめとした地産食材からフランス直輸入の高級食材まで、日々移り変わる旬の食材を選りすぐり、料理内容はその日ごとに変化していきます。
しかし1つだけ例外は、同店の名物である「生ウニの貴婦人風スープ」。「これは、お客様からご要望をいただくことが多く辞められなくて(笑)。基本的にすべてのコースでお出ししています」と上揚シェフは笑顔に。
ふわふわなミルクの泡の下へスプーンを入れてすくうと、中からロワイヤル風のスクランブルエッグと生ウニが顔を出しました。きめ細やかに撹拌されたスープの正体はクレーム・ド・オマール。オマールの香りと旨味をしっかりと抽出したエキスに生クリームを合わせたリッチな一品で、濃密な味わいが口の中でとろけます。これは、コクのあるボルドーの白ワインとも相性抜群!
もちろん、ワインリストに並ぶのは、オーナーのシュードル・ニコラ氏が厳選するワインの数々。なかでも注目は、フランス・ボルドー出身の醸造家であるニコラ氏が吟味し、その品質を認めた「シュードル ニコラセレクション」です。ボルドーの自社ワイナリー「プジャ フレール社」で醸造されたものを中心に、フランスや世界各地の生産者から直接買い付けたワインまでを厳選。
グラスワインは1杯880円~とお値ごろで、グラスワインセットは泡・白・赤の3杯で3,300円~。プラス500円で泡をシャンパーニュに変更することもできますよ。気軽にマリアージュを楽しめるのが嬉しいですね。
ヒラスズキの上には、旬のアスペルジュソバージュとユリネのフリットを添えて。爽快なバジルオイルのアクセントも◎
ワインと料理のマリアージュは同店の命題。上揚シェフは旬素材をモダンに活かす一方で、フランス料理らしい重層感、ワインを誘うクラシカルなソースの組み合わせも大切にしているそう。シャンパンとフュメ・ド・ポワソン(魚の出汁)の中で静かに火入れしたこの日の魚料理「ヒラスズキのポシェ」にも、それは現れていました。
しっとり厚みのある身に絡むのは、ノイリー酒100%で仕上げたブール・ブランのソースと、香ばしく深みのある褐色のソース。褐色のソースは煮込んで丁寧に漉した魚・甲殻類のエキスとフォンドヴォーから作られていて、これが白ワインにも赤ワインにもよく合うんです。
魚料理の後には特選和牛を使った肉料理が登場し、最後は季節の果物を活かしたデセールで終幕。この日運ばれてきたのは「ピスターシュとイチゴのタルト仕立て」でした。
着色されていない高品質なピスタチオペーストで作られたクリームは香ばしく濃厚。甘酸っぱいイチゴや自家製のソルベ、ホロリとしたタルト生地が重なり、最後まで心地よい余韻を残してくれます。
また、メインフロアの奥には、ハレの日や会食等にも重宝する個室を用意。ランチタイムには柔らかな陽光が差し込み、ディナータイムには煌めく夜景が――。街を見晴らす7階のロケーションが、特別なひとときを彩ってくれます。
店舗より提供。オーナーのシュードル・ニコラ氏。福岡にフランスのワイン文化を広め、根付かせた功労者の一人。その功績が認められ、2007年にはフランスの農事功労勲章シュヴァリエを受章
そして、最後におまけ情報も。「Le Chevalier」では月に1度、オーナーのニコラ氏によるワインセミナーも開催。ニコラ氏からワインのことを学べるだけでなく、ワイン5、6杯にフルコースディナーまでセットになっているというから驚きです。毎回すぐに予約が埋まってしまうそうなので、公式HPやインスタグラムの案内をお見逃しなく!
この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。
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