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コロナ禍での危機から劇的なV字回復へ!北九州市民の“心のふるさと”「シロヤ」

北九州を代表するパン屋さん「シロヤベーカリー」。市民に愛され続け、2022年で創業72年。現在、北九州エリアに4店舗、福岡エリアに2店舗を展開している。“心のふるさと”とも言えるほど欠かせない存在のシロヤは、およそ35種類のパンを製造・販売し、笑顔と幸せを届けている。
レモン風味の爽やかなホイップクリームをふわふわスポンジで巻いた「オムレット」や、こだわりのバタークリームをたっぷり挟んだ、どこか懐かしい「バタークリームパン」…。そんな魅惑のパンを求めて連日お客さんが押し寄せ、行列必至だ。
今回は、シロヤベーカリーの知られざる裏側と人気の秘密を徹底解剖する!

シロヤといえば!練乳たっぷり「サニーパン」

シロヤの絶対的看板商品といえば、不動の人気No.1「サニーパン」!多い日には1日1万個も売れるサニーパンは、柔らかめのフランスパンの中に、トロリとしたたり落ちるほどの練乳がたっぷりとしみている。老若男女が夢中になるパンだ。

北九州で生まれ72年

シロヤは、戦後間もない昭和25年、洋菓子製造卸売企業として始まった。昭和33年、初代社長・奥山信次さんが「シロヤ」を開業。はじめはリヤカーを押しての販売だったという。
「子どもからお年寄りまで甘いものを通して幸せになってほしい!笑顔になってほしい!」。そんな初代の思いから、昭和41年、サニーパンは誕生した。

2代目社長の“新たな戦略”!

2000年に亡き父の後を引き継ぎ36歳という若さで2代目に就任した、代表取締役・奥山祐子社長。シロヤのパンをもっと多くの人に食べてもらいたいと仕掛けたのが、2015年の博多駅への出店だ。これがシロヤのターニングポイントとなった。
九州の玄関口である博多駅の店舗は、あっという間にサニーパンを1日1000個も完売させる大人気店となり、シロヤの売り上げも右肩上がりに。福岡市への初出店という2代目社長の挑戦が、北九州のソウルフードを全国へと繋げた!

存続の危機から劇的なV字回復へ

そんな中、世界を震撼させた新型コロナウイルス。2020年4月には緊急事態宣言が出され、街から人が消えた。4月だけでも1800万円の赤字となり、祐子社長は「もうシロヤは閉めるしかないのでは」と精神的に追い詰められたという。
コロナ禍の1年は赤字が続き、売り上げも大幅にダウン。途方に暮れていた時に救ってくれたのは、SNSでのお客さんたちの励ましだった。シロヤファンの温かい声援に応え、それまで表に出ることのなかった社長は自らメディアに出演したり、苦手だったSNSで商品を宣伝したりするなど、積極的にシロヤをアピールした。

もうひとつ後押ししてくれたのが、全国ネットの人気テレビ番組だった。サニーパンが紹介されたことで、シロヤの名前が一躍全国に知れ渡ったのだ。さらにはシロヤを応援する多くの著名人が発信するSNSも追い風となり、その効果もあってGoogle検索数が2万件から25万件に跳ね上がった。
通信販売は、全国から注文が殺到し半年以上発送待ちの状態にまでなった。
コロナ禍で大打撃を受けたシロヤだが、V字回復を成し遂げようとしている。

先代の思い“パンで笑顔を”

シロヤでは先代の思いを受け継ぎ、より多くの子供たちに甘くておいしいパンを食べてもらおうと、月に1度“子ども食堂”へサニーパンを提供している。
「子どもたちには元気でいてほしい。やっぱりサニーパンは元気になる。名前が“サニー”、太陽ですから!」と社長。
シロヤの快進撃は止まらない!

(文:軽部 明香里)

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