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福岡県内で最も危険だと言われる通学路3つを調査!知っておきたい原因と対策は?


全国の小学生を対象とした事故データによると、平成28年から令和2年までの5年間で登下校中の事故で死亡あるいは重症を負ったという人数は908人。(この数字には軽症や中高生は含まれていません)
福岡には危険な通学路と言われている場所が2360箇所も存在しています。最も危険だと言われている通学路で子ども達を守る地域の取り組みを取材しました。

北九州市小倉北区今町

福岡県内で最も危険だと言われる通学路は北九州市小倉北区今町にある約500mの直線の通学路。端にグリーンベルトはあるものの道幅が2mない道が多く、車が離合できないような細い道が続いています。この辺りは住宅街となっているため、様々な方向から車が現れます。一方通行ではないにも関わらず、細い道を猛スピードで走る乗用車もいて、子ども達は車に気を付けながら通学路を歩いていました。

「通学時間は車が多く、一旦停止や歩行者をよけることをしない車も多いため危険が多い。朝は住民が交通整理をして見守ってくれているため危険が軽減されている部分はあるが、通学時間が過ぎると離合で車が渋滞することが多く危険だ」と地域住民は話します。

町内では9人が交通整理を行っていて、警察も定期的にパトロールを行っています。
交通整理を行う地域住民によると「一旦停止をしない車も多いため誘導が難しい」とのこと。
地元見守り隊の方はボランティアで毎日登校時間の1時間程バイクで通学路を回り、安全確認を行っています。見回りの最後は校長先生と一緒に校門の前に立って生徒達を見守ります。ある時は、生徒の名前と顔をほとんど覚えている校長先生が「○○さんが来てないから見て来る」と言って、生徒と共に登校することもあったのだそう。このように住民みんなで交通安全に努めており、過去5年人身事故はありません。

福岡市では小学校付近の道路が時間帯によって一方通行になっている場所が多く見られますが、交通規制は住民の生活に大きな影響を与えるため、警察が一方的に規制を行うことはできないのだそう。
学校関係者・道路管理者・交通管理者(警察)が意見をまとめ、地元住人の了解を得ることで、時間帯を区切っての交通規制が可能になります。

福岡市中央区高砂・白金

福岡市中央区高砂・白金地域は、百年橋通りや日赤通りから抜けてくる車が多い地域です。その中でも子ども達の登校時間に通勤の車が抜け道として多く入ってくる道路があり、人身事故も起こるなど以前から頭を悩ませていました。
高宮校区町内会会長の西村さんがこの道路について行政に相談したところ、今年5月に通学路の大改造が行われました。
1つ目に行われたのが「ポールを設置する」という対策。ポール自体を「狭さく」と言い、ポールを立てることで道幅を狭くしています。離合時はどちらかの車が一時停止を行う必要があるため、車の速度を落とす効果があるのだそう。

2つ目は「グリーンベルトを広げ、中央線をなくす」という対策です。2車線あった道路に50㎝しかなかったグリーンベルト。このグリーンベルトを1mに広げ、1車線にしたことでポールの手前で一時停止をすることになり、車の大幅な減速に繋がったそう。また3人でもグリーンベルト上を歩くことが可能になったり、ベビーカーも通れるようになったりと、歩行者が安心して歩ける道になりました。

費用面でも歩道やガードレールを作るよりも安く抑えることができる対策で、これらの対策により以前飛ばしていた車も減り、抜け道として利用する車自体も減少。安心安全な通学路になったようです。

福岡市南区桧原四ツ角

待ち時間は長くなる一方で、人身事故は大きく減る“歩車分離式の信号機”。「福岡市南区桧原四ツ角」には、歩車分離信号にして逆に事故が増えているという交差点があります。

福岡市のベッドタウンにある「桧原四ツ角」。近くに小学校と中学校、更に2つの高校があります。
通学路としても多く使われている交差点の様子を調査。自動車用の信号が青になると、自転車が勢いよく通っていきます。しかし自動車用信号が赤になり歩行者用信号が青になっても数多くの自転車が通過。
自転車は車両の一部のため自動車と同じ信号を渡り、左側通行で車道を走るのが原則、また自転車が右折する場合は、原付バイクと同様に2段階で右折を行う必要があります。ところが2列に並んで走ったり歩道を走ったりすることで事故が増えていたのです。

「自転車は自動車と同じ信号で、左側通行で車道を通る」ことを知らずに走る自転車が多く、この日は6人の警察官が指導を行っていました。その後は警察の指導もあり、横断歩道を渡っていた自転車もきちんと1列で車道を通行していました。
バスや自動車も多く走る「桧原四ツ角」。運転する人は自転車が安全に通行できるように充分な間隔を取って、安全な速度で運転を行わなければなりません。

また歩行者も歩者分離信号でのななめ横断は禁止。ななめに渡ると横断歩道を渡るよりも距離が伸び、歩行者用の信号を長くしなければならず、車の渋滞が酷くなるためです。
福岡市天神のスクランブル交差点など“ななめの横断歩道”といった道路標識によって示されている場合のみ、ななめの横断ができます。歩行者は必ず横断歩道を渡るようにしましょう。

みなさんの身近なところで気になる通学路がありましたら、ぜひ番組の方までお知らせください!

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