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最高のカンパチで世界へ挑戦

養殖カンパチの生産量日本一の鹿児島県で“唯一無二の魚作り”に取り組む企業がある。垂水市に本社を構える小浜水産(おばますいさん)グループ。副社長の小濵洋志(おばま・ひろし)さん(41)は、カンパチ養殖において「オバマスタイル」という独自の方法を生み出した養殖界の革命児だ。

オバマスタイルの特徴は餌にある。これまで、餌の量は魚の大きさに比例すると考えられていたため、夏場は1日に2~3回餌をやることが常識だった。しかし、食べた餌を吐き出す魚を見て、天然の魚は毎日決まって餌にありつけるわけではないと気づいた小濵さんは、餌の回数を週2~3回にまで減らした。それと同時に餌の改良も開始。魚を太らせるために使っていた魚油が養殖臭と言われる独特の臭いの原因なのではないかと考え、植物性の油に変更。小魚の種類なども改良を重ね、少量で栄養を効率的に摂取できる餌を作り出した。

それまでの常識を次々と覆していくやり方に周囲は心配したが、カンパチは順調に育ち、新たな養殖方法を確立することができた。
小濵さんは今カンパチの販路拡大に取り組んでいる。国内はもちろん、海外への輸出も開始した。小浜水産のカンパチの評価はどのようなものなのか。生産から営業まで、カンパチに情熱を注ぐ企業に密着した。
会社名:株式会社 小浜水産グループ
住所: 〒891-2101 鹿児島県垂水市海潟2499-1
電話:0994-32-1140
HP:http://www.obamasuisan.com/

取材後記

仕事場は波に揺られる船の上と、海に浮かぶ生けす。
港を出発して現場に到着するやいなや、小浜水産グループの皆さんは素早く自分の持ち場につき、準備を始めました。

海の上では大きな声を出しても波にかき消され、遠くまで届きません。そんな中でも手振り身振りを交え、的確に。そして安全に。
今回取材した副社長の小濵さんが何度も話していたのが「養殖は決して1人ではできない」ということでした。全員が力を合わせて初めて“最高の魚を育てる”という目標に向かうことができる。最高のチームが最高の魚を育てる。

そんな言葉に、暑い日も寒い日も海の上で働く皆さんがひときわ輝いて見えました。
「鹿児島で育った最高のカンパチを世界中に届ける」
その目標に向かう皆さんをこれからも応援したいと思います。

(MBC南日本放送 / 岡積 奈津子)

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