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「全国旅行支援再開」のニュースを、にわかで斬ります!

ラジオ
「よなおし堂」は、“にわか”で始まります。
毎日その日のニュースで、パーソナリティが作ってます。
楽しんでいただいてますでしょうか。
そして、今日は水曜日。午後5時過ぎに「よなおしにわか倶楽部」で学習します。
先生は、博多にわか振興会相談役の志木らん梅さんです。
今週のお題は、全国旅行支援再開」。仲谷一志が作ります。

「全国旅行支援な割引額の縮小されて再開したごたぁ」
「あらぁ新型コロナの第8波が拡大して亡くなった人たちの増えとるとぃ政府ぁやる事のタイミングの悪かぁ。それからくさ、先ぃ予約した人ぁ一旦キャンセルばせな申し込めんげな。場合によっちゃキャンセルして、又予約するごとしたら元々の宿泊料金の上がってしもうて、返って高うなる場合もあったらしか」
「そんならああたぁこの支援な利用せんとやね」
「いいや、安うなるとなら利用して温泉ぐらいぁ行くばい」
「あら、ああたぁこの旅行支援の事ば悪う言うとらんかったな?」
「言うとらんばい」
「言うたろうが」
「言うとらん」
「言うたろうが」
「言うとらん」
「そげん白々しか事ば言うとなら、温泉に行ったっちゃ、湯舟の中ぁ空っぽかも知れんばい」
「なしてな?」
「ああたぁ今、こげん言いよったろうが、湯ぁなかった(言わなかった)て」

志岐らん梅さんが採点します。
  風刺:3/4  構成:2/3  オチ:2.5/3  合計:7.5/10 
講評
 主題は新型コロナ第8波が拡大して亡くなった人たちが増えているのに全国旅行支援再開するにはタイミングが悪いということだと思います。博多にわかでの風刺表現は「亡くなっていく人たちば減らそうと思うて全国旅行支援ば再開しとる」になると思います。ただし、亡くなった方のご家族のことを思いながら皮肉を入れて笑いを取るのは聞く人にとっては不快感が残るだけです。風刺表現は取らずにそのままの表現でよかったと思います。
 構成では全体的な流れがいいと思います。ただし、「温泉に行っても湯舟の中は空っぽかも知れない」と突然「湯舟の中ぁ空っぽ」が出てきます。そのような場合はさらに「なして湯舟の中ぁ空っぽな?」と開き直って「空っぽ」にスポットを当てて聞き直す表現がいいと思います。それによって「湯舟の中は空っぽ」に孤立感はなくなり、起承転結の「転」の部分になって行きます。
 オチは名詞と動詞の組み合わせになっていて上級クラスの印象があります。
博多にわかではオチの対象は同じものになります。この場合、「湯はなかった」のは「湯舟の中」で「言わなかった」のは「旅行支援の悪口」がオチの対象です。それぞれになっています。私たちはこのようなケースを「対象ずれ」と呼んでいます。同じオチの対象にしようとしたら次のようになります。
「あたきが大浴場の湯舟の中がいっつも空っぽやったとば発見したら旅館の人から黙っとってつかあさいて言われた」「それでどげんしたとな?」「言わなかった(湯ぁなかった)」 
このようにするとオチの対象はともに湯舟のことになります。ただし、この場合、全体的な話の構成は変わってきます。その構成は割愛します。


志岐らん梅さんのお手本にわかです。

「ああたぁ寝ても覚めても旅行、旅行て言いよんなる。きのう1月10日から全国旅行支援の再開されとるが嬉しかったろう」
「そらぁ嬉しかった。ばって、支援額が前ぁ4割やったとが今度ぁ2割ぃなっとる。クーポンば含めた総額で最大11,000円やったが7,000円になっとる。それぃ手続きば せないかんとの増えてしもうとる。そればしきらんかったら、滞在先のホテルやらぃ相談してつかあさいげな。若っか者ならスマホで簡単に手続きばするとやろうばって、あたきのごたる年寄りぁ何もしきらんとたい」
「ばって、そげな問題ば乗り越えてでちゃ、これから先も、旅行したかて、何べんもちょくちょくぁ言うとじゃろう?」 
「そらぁ言うくさ。旅行のことやけん、たびたび(旅々)言う」

来週は下田文代が作ります。

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