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巴里の日記

2017年第8回
制作:RKBテレビ
ディレクター:西嶋真司

洋画家の野見山暁治さん(福岡県飯塚市出身、文化勲章受章者)にとってパリは特別な街だ。60年以上も前、留学した頃に暮らした国際大学都市シテ・ユニベルシテ。レオナール・フジタやピカソ、ジャコメッティらと出会ったモンパルナスのキャフェ。そして若き日に妻の陽子さんと歩いたセーヌ川のほとり。95歳になった2016年10月、野見山さんは思い出のパリを訪れた。
東京美術学校(現東京芸大)を卒業後、画家の道を目指したものの、戦後の日本にとって芸術の都への道は険しかった。終戦から7年目のある日、「私費留学生募集」の新聞記事をみつけ、陽子さんが文部省に直接かけあってパリ留学の道が開けた。
野見山さんがパリに留学して3年目に陽子さんが渡仏。異国の地での夫婦の生活がスタートした。しかし幸せの日々は続かなかった。パリについて半年ほどで陽子さんの身体が癌に侵されていたことがわかる。専門病院等での懸命の治療にも関わらず、陽子さんは渡仏から1年目、28歳の若さで帰らぬ人となった。
フランスを再訪した野見山さんは、かつて訪れた懐かしい風景に出会う。
「ずっとここにいたんだね、と風景に呼びかけるような気になりますね。生きていて良かったなと思うんです。不思議だなあ。自分が再生するのかも知れないですね。」(野見山暁治)
フランスから帰国したある日、野見山さんがアトリエを整理しているときに、妻の陽子さんが生前に綴った「巴里の日記」がみつかった。

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