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FIFAワールドカップ2026が開幕し、日本代表の活躍に期待が高まっています。6月19日放送のRKBラジオ『立川生志 金サイト』に出演した、ジャーナリストで毎日新聞出版社長の山本修司さんが、日本代表の「優勝」の可能性についてコメントしました。
初戦引き分けで期待高まる日本代表、目標は「優勝」
サッカーのワールドカップが開幕し、日本代表は初戦で格上のオランダに2度リードされる展開の中で引き分けに持ち込み、勝ち点1を獲得しました。日本代表はこれまで、出場した大会の初戦で勝利や引き分けで勝ち点を取ったときには、いずれも決勝トーナメントに進んでいますので、今大会も、と期待が高まっています。
それにとどまらず、日本代表の選手たちは「目標は優勝」と公言していて、サポーターからも「目指せ優勝」という声が上がっています。果たして、日本代表はどこまで勝ち進むのでしょうか。
過去データから見る優勝国の顔ぶれと日本代表の軌跡
まだ1試合しかやっていないのに日本代表の今後を占うというのは乱暴ではあるのですが、まずはいろんなデータを見てみたいと思います。 ワールドカップの第1回は1930年、96年前のウルグアイ大会で、このときは予選なしの招待制で、決勝ではウルグアイがアルゼンチンを4-2で下して優勝しています。
ちなみに出場国はブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、フランス、メキシコ、チリ、ペルー、ボリビア、ユーゴスラビア、ルーマニア、ベルギー、アメリカです。ちょっと強豪国が足りないように思いますね。
第2回はこれに優勝したイタリア、オランダ、ドイツ、スペインなど10チームが加わっていますので、1934年になって今の強豪がそろったという感じです。これが92年前です。
これまで22回の大会に80カ国以上が参加しているのですが、優勝した国は8カ国に限られます。ブラジルが5回で最多、ドイツ(西ドイツを含む)とイタリアが4回、アルゼンチンが3回、ウルグアイとフランスが2回、イングランドとスペインが1回となっています。
それで日本なのですが、私がサッカーをしていた中学、高校、大学時代はワールドカップ出場など夢のまた夢で、テレビでもやっていませんでした。それが1998年のフランス大会初出場、あの「ドーハの悲劇」を経験し、「ジョホールバルの歓喜」によってアジア第3代表となったわけですが、今大会まで8大会連続8回目の出場となっています。
日本は初戦で勝ち点を挙げたときには必ず決勝トーナメントに進んでいます。2002年日韓共催大会ではベルギーに2-2で引き分けて勝ち点1、2010年南アフリカ大会ではカメルーンに1-0で勝って勝ち点3、2018年ロシア大会では2-1でコロンビアに勝って勝ち点3、2022年カタール大会では何とドイツに2-1で勝って勝ち点3。
ただ決勝トーナメントでは初戦で敗れてベスト16ということになっています。 今週月曜日朝5時キックオフの今回は、オランダに2-2で引き分けて勝ち点1を取っていますし、今回は48チームが参加していて、各グループ3位のうち、成績上位の8チームも決勝トーナメントに進めます。ハードルが低くなっていますので、より決勝トーナメントに進出できる可能性が高いと期待されています。
なぜ優勝できる国は8カ国に限られるのか
問題は、なぜこれまで優勝したのが8カ国しかないかということです。 「Elo」(イロ)という、チェスなどの対戦型ゲームやスポーツでプレイヤーの実力を数値化した評価システムがあるのですが、これをサッカー用にカスタマイズして分析した結果が公開されています。
考案したのが物理学者アルパド・イロさんという人なので、こう名付けられました。評価は「イロレーティング」というポイントで数値化されています。ちなみにトップはスペインで2157ポイント、アルゼンチン、フランス、イングランド、ブラジルと続いています。日本は1906ポイントで14位です。
ある分析によれば、経済力、人口、身長、地理的条件という要因で7割は説明が付くというのです。ただ、どれか一つが突出してもだめで、例えばアメリカは、経済力はあるけれどもそのお金は野球やアメリカンフットボール、バスケットボールに多くが使われますし(ですから31位)、中東の湾岸諸国は、お金はたくさんあるしサッカーは盛んだけれども、上位に行ってはいません。
人口でみても、中国やインドは多いけれどもワールドカップの常連ではありませんし、身長も高ければいいというものではなく、ある分析では、ゴールキーパー以外の選手の適切な身長は181センチだということです。
重要となる「地理的条件とそれに結びついたスポーツ文化」
重要なのは「地理的条件とそれに結びついたスポーツ文化」だということです。 先ほどの点数、イロポイントですが、南米のチームとアジアのチームとでは600点以上、9割以上南米のチームが勝つと予想できるほど開いているということです。
これは欧州とアジアとの比較でも同様です。何が違うかといえば、指導者や選手層の厚みや競争の激しさ、集客力、また他の地域から選手や監督、コーチといった人材、また観客を呼び込む力など、まさにそのスポーツ文化の違いです。国の経済力が仮に劣っていても、サッカーに集中する資金力は大きいということです。
だから、先ほどの優勝8カ国、それに加えて決勝に進出して優勝に手が届きそうだったオランダなどといったチームが君臨し続けているということです。ワールドカップが始まって100年ほど経ちますが、第2回までの出場国がほぼ優勝経験国ですから、これには説得力があると思います。
「史上最強」の日本代表、優勝の可能性はあるか
日本の「イロレーティング」は14位と言いましたが、日本のFIFAランキングは18位ですので、まあ妥当な評価ということでしょうか。日本はもはやワールドカップの常連で、ベスト16が4回。
皮肉にもこれは「失われた30年」の間で、バブル崩壊後の1993年にプロリーグであるJリーグが発足し、地域に根ざし、ファンを増やし、南米や欧州から監督・コーチや選手を呼び、そして日本の選手が世界に飛び出して活躍し、また成長して、今回「史上最強」というチームを結成したのです。
サッカーの勝敗はデータだけでは決められませんし、またけがで遠藤選手がはずれ、久保選手もどうなるか分からないという小さくないマイナス面はありますが、日本は今回「ダークホース」と評価され、世界の強豪の一角にいることは間違いありません。 優勝の可能性があるかといわれれば、あるとしかいえないと思います。
ですが、私の予想としては、データや選手の状況、先ほど言ってきたことを考えてみて、ベスト8あたりかと思っているところです。間違ったら大会後の放送で懺悔いたします。 まずは次のチュニジア戦。監督も突然交代してどんなサッカーをしてくるか分かりませんが、もちろん勝利すると予想して、注目していきたいと思います。
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この記事を書いたひと

山本修司
1962年大分県別府市出身。86年に毎日新聞入社。東京本社社会部長・西部本社編集局長を経て、19年にはオリンピック・パラリンピック室長に就任。22年から西部本社代表、24年から毎日新聞出版・代表取締役社長。





















