いちどきりの夏

2016年第23回
制作:ＲＢＣ琉球放送
ﾃﾞｨﾚｸﾀｰ:片野 達朗

沖縄県立辺土名高校。那覇から車で２時間。海と山に囲まれる、沖縄本島最北端の高校。 かつては部活動も盛んに行われており、野球部は１５年前、県大会を勝ち抜き、 春のセンバツ甲子園の２１世紀枠の九州地区代表校にも選ばれました。
しかし近年、北部地域の過疎化の影響で、現在の生徒数は１５年前の３分の１。 全校生徒も、わずかに１２０人ほどまで減りました。
ここ数年は、野球部も部員不足に陥り、２年間、大会に出場が出来ない状態が続いています。
それでも、放課後―。たった一人、グラウンドで汗を流す球児がいました。伊是名良平くん（１８）。
幼いころに始めた野球が大好きな彼は、他校の球児と同じように、「甲子園」の夢を持ちながら、白球を追いかけています。
かつて選手として甲子園に出場した辺土名高校教諭、高良耕平さんと２人、部員集めに奔走する日々。
そしてようやく集まった９人の野球部は、初めての練習試合で、他校の１年生に３対２１の大敗。
それでも、良平くんは仲間と野球が出来る喜びをかみしめています。
たった一人、青春を野球に懸けた良平くんを中心に、３年ぶりに公式戦に出場した、辺土名高校。
一度きりの夏の舞台で、どんな戦いを見せてくれるのでしょうか―。