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ノモンハンの真実を探して

暮らし
2016年第16回
制作RKK熊本放送
ディレクター: 井上 佳子

熊本県宇城市に住む元高校教師、上村真理子さん(62)は、永年ノモンハン 事件を調べてきた。 ノモンハン事件は、1939年に旧満州とモンゴルの間で起った国境紛争で、四万人以上が亡くなっている。上村さんがこの事件に関心を持つきっかけとなったのは、高校の同僚だった井置正道さんとの出会いだ。 井置正道さん(84)の父、栄一さんは、当時現場の指揮官だった。 日本の将兵は、水も食糧もない中、ソ連の機械化部隊に火炎瓶で応戦した。 死者が続出する状況に、井置栄一中佐は、265人の部下をいったん撤退させる。しかし、命令もないのに勝手に撤退したとの理由で、停戦後に自決を強要され亡くなった。責任を負わされた形だった。井置中佐の遺族は、汚名を着せられた父のため、戦後小さくなって生きてきたという。もともとノモンハン事件は、食糧や弾薬の兵站に危惧をもたれる中、好戦的な参謀によって立案された。 甚大な被害を出したにも関わらず、彼らは責任をとることもなく、その後の 太平洋戦争でも立案に関わっていく。上村さんは、日本陸軍、ひいては日本という国に対する構造的なあり方に強い疑問を持つようになった。 ノモンハン事件を通し戦争の実相を描きたい。

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