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おしっこ一滴で「がん」を発見!

ビジネス
「がん」は日本人の死因の第1位だ。年間約37万人が「がん」で命を落としている。日本で亡くなる人の3人に1人が「がん」が原因だ。早期で見つかれば「がん」は治る。

しかし血液で「がん」の有無を識別する腫瘍マーカー検査の精度は3割程度に過ぎない。 ところがおしっこを一滴調べるだけで「がん識別度」95.8%という高精度を誇る画期的な「がん検査法」を九州大学コンビが開発した。

さらに検査コストも数百円と格安だ。 開発したのは九州大学の味覚・嗅覚センサ研究開発センターの広津崇亮助教 (43)と九州大学病院 第二外科の園田英人助教(44)だ。決め手は 「線虫の嗅覚」。 線虫は土壌や海中に生息する1ミリほどの生物で、種類も多い。線虫には視覚も聴覚もないが嗅覚は犬並に鋭く、能力的にヒトを大きく上回る。広津助教と園田助教は、線虫が、がん細胞のわずかなにおいに集まる習性があることを実験で確認した。 線虫の嗅覚を用いてがん患者の尿からがんの有無を調べる検査方法の論文をアメリカのオンライン科学雑誌に発表し、世界中から大きな注目を浴びている。

安全で高精度で低コストと3拍子そろったこの検査法は、実用化されれば世界が注目する夢のガン識別法となるのだ。

<取材先データ>
◆研究施設
九州大学 味覚・嗅覚センサ研究開発センター
福岡市西区元岡744

味覚と嗅覚に関する基礎研究からセンサ開発,社会実装までを行う世界初の研究拠点.
※ 一般の方からの問合せは受け付けていません

取材後記

おしっこ一滴で「がんの有無」が95.8%の識別率でわかるというのは画期的です。線虫というわずか1ミリの生物の鋭い嗅覚と「がん患者の発するにおい」を好む性質を利用して「がん」を発見するという検査法には驚きました。

線虫・嗅覚の専門家 広津崇亮助教と外科医の園田英人助教という九州大学コンビが世界に通用する成果を生み出したことも九州人として誇りに感じます。 日本では1年間に37万人が「がん」で亡くなっています。この高精度・低コスト・安全な検査法が実用化され、さらにがんの種類まで特定できるようになれば早期発見・早期治療への道が大きく開かれ、多くの人の命が救われるだろうと期待が膨らみます。
担当:RKB毎日放送 山田 尚

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