【SDGsおじさん】ボーダレス・ジャパンとは? 社会問題解決の最前線・僕のスーパースター

【SDGsおじさん】ボーダレス・ジャパンとは? 社会問題解決の最前線・僕のスーパースター

「ボーダレス・ジャパン」って聞いたことありますか?

ボーダレス・ジャパン。この言葉を耳にしたことがある人は「環境問題敏感指数」(僕の造語)に当てはめると、「中の上級者」以上かな?と勝手に思っています。

最近、僕が接する機会が多い環境活動を行っている方々のなかでは、知らない人はいないのではないかと感じます。ちなみに僕自身は約3年に知ったばかりなのでそれほど威張って言える立場ではないのですが。

ボーダレス・ジャパンとはいったい何か。

ボーダレス・ジャパンは福岡にある会社の名前です。いったいどんな会社なのか。

年商55億円を超え、今なお急成長を遂げている会社です。僕の体感としてはある分野で日本一だと思っています。さあ、その正体は?…これが番組ならばいったんCMを入れたい、動画なら広告チャンスですが…正解を発表します!ボーダレス・ジャパンとは“社会問題を解決するソーシャルビジネスに特化した会社”です!!

もったいぶった割には、正解を知っても「はい??」というリアクションになってしまう方がほとんどですかね(汗)引っ張ったのにこれでは申し訳ないので、どこよりも詳しく解説していきます。お付き合いください。

まず、ソーシャルビジネスとは

「ソーシャルビジネス」とは社会問題を解決するビジネスのことです。「貧困」や「気候変動」などの社会問題を解決するために寄付金をはじめとする外部資金だけに頼らず継続的に収益を上げ、新たな社会的価値を生み出す事業です。ソーシャルビジネスは個人的にはSDGsと並んで、世間に広まって欲しいコトバ第一位です!社会貢献と聞くと募金やボランティアをイメージする方が多いと思いますし、これまではそれが一般常識でした。

もちろん募金やボランティアも時として重要ですし、最も取り組みやすい社会貢献の一つとしてこれからも引き続き行われるべきであると思います。しかし、多くの社会問題の解決は短期で実現できるものではありません。継続的に行うとなると資金が必要です。社会問題の改善・解決には「募金」にも「ソーシャルビジネス」にもそれぞれの役割があり、もどちらも必要なのです。

今度こそほんとに「ボーダレス・ジャパンとは」

ボーダレス・ジャパンは世界15カ国で40ものビジネスを展開しています。代表は田口一成さん(40)。大学生の頃に、テレビでアフリカの貧困を取り上げた番組を見たことが起業のきっかけだそうです。栄養失調でおなかが膨らんでいる子どもたちが映し出されたのを見た時に「貧困問題は以前から多くの人が解決に向けて取り組んできたはずなのにいまだに解決されていない」現状を知り、「自分の人生をかけよう」と決意。数年間の会社勤めでビジネスを学び、企業したのが2006年。最初は外国人留学生が日本でアパートなどに入居しづらいという問題を知り、シェアハウスの運営を始めたそうです。

それから15年で事業は40に広がっています。そしてその40の事業にはそれぞれ起業家、つまり社長が存在しているのです。さらにはそれぞれの大勢のスタッフ。田口さんの周りには社会問題に真正面から向き合う、立ち向かう人が集まっているのです。僕はいままでにそのいくつかの事業を取材させて頂きました。ここで、ひとつの事業を超簡単に!ご紹介させて頂きます。

ボーダレス・ジャパンのビジネスモデル紹介

【ミャンマー・リンレイ村でのハーブ事業 AMOMA】

都市部から車で数時間の山間部にあるリンレイ村。主な産業はタナペと呼ばれる葉巻たばこ用の葉っぱの栽培でした。タナペの収穫量を高水準で一定に保とうとすると大量の農薬が必要です。農家さんはそれによる健康被害を受けていました。しかも葉っぱの販売価格は買い叩かれるという現状。健康への害と貧困を被りながらも、農薬は増える一方。当然借金もかさんでいきます。リンレイ村の誰もがこのままタナペの栽培を続けていても自分たちの明るい未来を想像できず、若者の多くは街を離れていきました。しかし彼らにはタナペの栽培以外収入を得る方法がなかったのです。

その問題を解決しようと現地に入った田口さんたち一行は現地の人々にタナペをやめてハーブの栽培へ産業の大転換を提案しました。

しかし突然やってきた見ず知らずの日本人の言うことを真に受ける人はいません。しかし田口さんたちは諦めません。数人が現地に移り住み、どんなハーブが現地に適しているのかなどの実証実験を行っていきました。同時に作業を手伝ってくれた現地の人々にはきちんと対価を払い、関係性を築いていきました。その事業をAMOMA(アモーマ)という一つの会社としてビジネス化し、現地で作られたハーブをハーバリストや助産師さんとオリジナルブレンドを開発。母乳育児を行うママ専用ハーブティとして主に日本で販売しているのです。

瞬く間に口コミで広がり、某通販サイトでは売り上げ1位を記録するほどに。現地の人々の暮らしは大きく変わり、家を建て直ことができるなど将来の夢を口にする人も増えたそうです。「ボーダレス・ジャパンは我々にとって第二の神様です」。取材中に現地の人がそうおっしゃったのが忘れられません。

とここまででも十分凄さは伝わると思うのですが、最も重要なのはここからです。AMOMAをはじめボーダレスグループがビジネスを行っている理由は、商品(ハーブティ)を売りたいからではありません。目的はあくまでリンレイ村の貧困問題などの解決です。商品の販売は手段にすぎません。

ですので、例えばAMOMAはハーブティが売れようと売れまいと現地の農家さんには生活できるだけの賃金を支払っているのです。労働への対価が市場価格だと売り上げに左右されるため、これまでの社会の仕組みと何ら変わりません。ファーマーズプライスと名付け、市場に左右されない労働賃金という新しい仕組みを作ったのです。このようなビジネスを様々な社会問題に対して40も行っているのがボーダレス・ジャパンです。

生産や開発を行う大企業がサイドビジネス的に取り組むのとは違い、ストレートに社会問題の解決を行うボーダレス・ジャパンは、僕にとってカッコイイ人たちの集まり。代表の田口さんは僕の中で、虹プロファンたちにとってのパク・ジニョンさん並みのスター的存在です。

真剣に最前線で取り組んでいる方々との接点が、僕自身の勇気となり活動の源となっています。「自分が何も取り組んでいないことを恥じ、考えを変え、行動を起こす」。僕自身も誰かにとってそんな存在になりたいと思っています。

SDGsおじさん 松井聡史/RKBテレビ制作部ディレクター

【現在】カメラやパソコンよりも土を触ってる時間の方が圧倒的に長いRKB農園部(自称)。最近の仕事は、生ごみのコンポスト、畑の水やり、除草作業、野菜の販売、そして時々、番組企画書の作成。RKBラジオよなおし堂ではレギュラーでコーナーを持ち、SDGsを発信している。

【経歴】東京で約10年間、映画監督大根仁監督(「モテキ」など)に師事し、監督としてのスキルではなく、「変わったことをしたがり」な性格だけを学ぶ。2018年、地元福岡でRKBミューズに入社。同年「柴咲コウのサステイナブルな旅」を担当し、一気に環境脳となり、今に至る。

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