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アートでつなぐ! 友情の輪

佐賀県基山町にある障害福祉サービス事業所「PICFA(ピクファ)」。日本で初めて病院の中に作られた福祉施設だ。手術室などを改装したアトリエで21人の利用者が日々アート制作に取り組んでいる。

施設長の原田啓之さん(47)は、知的障害を抱える兄がきっかけで福祉の世界に入り、2017年にPICFAを設立。施設ではアートの制作指導は一切しない。原田さんは「親亡き後、自分でできることを増やすために、あくまで福祉をやっている」と話す。

自立できるよう目を配りながら、自由に制作させることで、利用者同士が互いに高めあう。PICFAは利用者の大切な居場所になっている。独特の感性で生み出される作品に注目が集まり、PICFAにはデザインや、イベント会場でのライブペイントなど様々な依頼が舞い込む。依頼者にはリピーターも多い。

利用者の工賃を上げるため、仕事の確保に奔走する原田さんが大切にしているのは、仕事の依頼者を含む健常者と障害者との関係性。「支援者」ではなく、「友人」を作ることで偏見をなくし、障害者が当たり前に暮らせる社会になってほしい。

社会との接点を作り、障害者の可能性を広げようと奮闘する施設長の思いに迫る。

(製作:RKB毎日放送 / 小畠 健太)

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