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父親が生後5か月の長男の腕を折る虐待?1審は「穏やかに暮らしていた」と無罪→2審は“骨折のメカニズム”めぐる医師の意見書が焦点に

長男(生後5か月)の腕を骨折させたとして起訴されたものの、1審で無罪となった父親(24)の控訴審が福岡高裁で27日開かれ、検察側は1審判決に「事実誤認がある」として、新たに医師の意見書を証拠請求した。弁護側も医師の意見書を証拠請求。裁判所は判断を次回の審理に持ち越した。

「穏やかに過ごしていた」1審は無罪判決


被告の父親(24)はおととし、佐賀県小城市の自宅の寝室で生後5か月の長男の右腕に何らかの暴行を加え骨折させたとして傷害の罪に問われている。父親は起訴内容を否認している。1審では長男に何からの外力が加わったことによるらせん骨折がみられることが弁護側と検察側の双方の医師の証言からわかった。その上で佐賀地裁は、▽当時、長男と父親が穏やかに過ごしていたとする母親の証言があること、▽長男が寝返りを失敗して肘内障害を起こし、その後の病院で行われた整復作業で骨折した可能性が完全には否定できないことなどから、父親に無罪を言い渡していた。

足で踏みつけて骨折は起こりうる?焦点に

この1審判決に「事実誤認がある」として検察側が控訴。弁護側によると、27日の控訴審で検察側は新たに「足で踏みつけ滑らせれば骨折する」という趣旨を述べた医師の意見書を証拠として請求したという。弁護側も「足で踏みつけることでは骨折起こり得ない」とする医師の意見書を証拠として請求した。裁判所は「証拠の採否はまだ検証できていない。次回期日で決定を伝える」と述べ、この日は閉廷した。次回は12月15日に審理が行われる予定。

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