伝承!西郷隆盛が愛したルアー 薩摩烏賊餌木
「エギング」。「餌木(エギ)」と呼ばれるルアーでイカを釣る「釣り」だ。日本初のルアーと言われている「餌木」。発祥は約300年前の江戸時代、鹿児島の奄美群島を含む南西諸島というのが有力で漁民の釣具から薩摩藩の武士たちの遊びとして広がった。かの西郷隆盛も「餌木」作りの名人だったという。
その昔ながらの「餌木」をつくる職人が今村義孝さん(69)。薩摩半島の南端、指宿市山川町にある釣具店の主人。現在の「餌木」は、「大分型」と指宿市山川発祥の「山川型」が主流。ただ、市販のほとんどは「大分型」となっている。「伝統の餌木を残したい」。今村さんは「山川型」にこだわり、今も一つ一つ手作りしている。
販売はネットのみだが、注文は全国から殺到。「素人でも簡単に釣れる」と好評だ。そのカギは布と布とを重ねて出す独特の色合いと「餌木」の絶妙なバランス。より釣れる「餌木」作りに情熱をかける今村さんを追う。
会社名:大成フィッシング
代 表:今村 義孝さん
住 所:鹿児島県指宿市山川成川2650
電 話:0993-34-2875
ホームページ:http://www5.synapse.ne.jp/taisei/
取材後記
世界的に広がりを見せている「エギング」。「餌木」と呼ばれるルアーでアオリイカを釣る、日本発祥の釣り。今、港や磯に行くと「エギング」をする人を良く見かける。実は私もはまっている。まわりの人が簡単に釣り上げる中で、これまで数杯しか釣れていないのが私だ。
腕はないので道具に頼ろうと釣り具店に行くが、「餌木」の数は3000本以上あり、見つけるのは困難。「素人でも釣れるものはないか?」調べたことが取材のきっかけ。「鹿児島発祥」、「遊びとして進化させたのが薩摩藩の武士たち」、「あの西郷隆盛も自分で作りイカを釣っていた」、そんな「餌木」の歴史的背景の面白さも番組制作の意欲につながった。
大成フィッシングの今村義孝さんは発祥の地で30年以上前から「餌木」をつくる職人。技術が進歩し、様々な素材の「餌木」が登場する中、自分の生まれた指宿市山川発祥の「山川型」と昔ながらの「布」にこだわる。2枚、3枚と重ねる「布」、その組み合わせは夜、寝床で思いつくという。
「誰が扱っても同じような動きになる」という今村さんの「餌木」。ならば技術に乏しい私でも扱える。先日、私も今村さんの「餌木」を海に投入、するとイカが興味をしめした。今シーズンは久々に、自分のイカをつまみにお酒が飲めそうだ。
(MBC南日本放送/中靍 崇大)
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