「素」という言葉を辞書で引くと、「ありのまま」と書かれている。普段、放送でニュースや生活情報、スポーツ中継をお伝えする時に、アナウンサーが自分の「素」を出す機会は、そうそうない。伝えるべき情報が視聴者に伝わることが最優先なので、「素」を出すのは後回し。放送中の出演者同士による掛け合いでにじみ出た「素」の部分に視聴者の方々が共感して、親しみを持っていただければ大変ありがたい。
今月からRKBの若手アナ7人を中心にした30分番組「アナらぼ」が始まる。アナウンサーが企画を考え、ロケに出て、スタジオでトークを展開する。私は後見役としてサポートしている。会議では、「グルメリポート対決」や「初対面の人へのインタビュー」などアナウンサーという職業を生かした企画案などが次々に出された。自分たちの考えた企画が形になるという思いもあってか、みんなの目がキラキラしていて、進行するにつれて熱量が高まっていくのを感じた。
経験が浅い若手アナたちが、どれだけ体を張って自分たちの「素」をさらけ出せるのか。番組を通じてにじみ出る彼らの「素」を愛していただければ幸いだ。初回は10月21日(火)午後11時56分から、2回目は11月18日(火)の放送だ。若手アナの挑戦に、乞うご期待。
10月18日(土)毎日新聞掲載
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