※①Restaurant Présage(プレサージュ)
②ひら田
③聴雪庵(ちょうせつあん)
④sumi-bi Yoshimuraya(すみび よしむらや)
2026年3月20日に発売された糸島・唐津のガイドブック『ぐる~り糸島・唐津』。これまでの糸島に加え、唐津の魅力的なスポットも満載です。今回は唐津のハイグレードな飲食店をピックアップ。玄界灘の海の幸、豊かな大地が育む山の恵み、そして受け継がれてきた器文化……、食材にも美意識にも恵まれた唐津には土地の魅力を一皿に映し出す名店が点在しています。旬を繊細に映す和食、素材の力を引き出すフレンチ、目利きと技が光る焼肉など、唐津ならではの美食の時間を過ごしてみては。
自然の恵みと豊かな感性が融合する唐津フレンチ
「ぐる~り糸島・唐津」より提供
唐津駅南口から徒歩数分の場所に佇む「Restaurant Présage」。2024年春にオープンしてすぐ「ゴ・エ・ミヨ」で高評価を獲得し、遠方からもゲストが訪れる話題のフランス料理店です。
扉をくぐると、カーブを描くカウンター席に囲まれたオープンキッチンが広がり、オーナーシェフの横田悠一さんが出迎えてくれます。
ランチは8,800円と14,300円の2コース。前菜からメイン、デザートまで、その日の仕入れに応じて内容も構成も変わります。香り、彩り、食感が重なり合い、一皿ごとに異なる表情の料理がリズムよく運ばれてきます。
写真はランチ前菜の一例「タマネギの塩釜焼 アミガサタケのソース」と、ディナー前菜の一例「自家製シャルキュトリーの盛り合わせ」。白の器も料理の美しさを際立たせます。
「ぐる~り糸島+唐津」より提供
その味わいを支えるのが、素材への徹底したこだわり。水は唐津市鎮西町の湧き水、塩は漁師である義父が沖で汲み上げた海水から作る自家製のものを使用しています。素材だけでなく調味料にまで一切の妥協がなく、カウンターの向こうで料理と真摯に向き合うシェフの姿も印象的。目の前で料理が仕上がっていくライブ感も、この店ならではの魅力です。
ワインセラーにはフランスを中心に世界各地からセレクトしたものが常時100種以上揃っています。料理とのペアリングもぜひ楽しみたいところ。
無駄を削ぎ落としたシンプルな空間には、穏やかで上質な時間が流れています。特別な日にゆっくりと訪れたい一軒です。
静謐のなか、四季を味わい、心整う日本料理の名店
「ぐる~り糸島・唐津」より提供
福岡からわざわざ足を運ぶ価値を、軽やかに超えてくる一軒、日本料理店「ひら田」。店主・平田さん夫妻は、京の名店「美山荘」で研鑽を積み、2016年に唐津で暖簾を掲げました。その確かな腕は、ほどなくして食通の間で評判を呼びます。
この店の真価は、“経験の記憶を更新していく味わい”にあります。四季のうつろいを映した一皿一皿は、目にした瞬間に想像する味わいを、一歩先へと導くもの。滋味に満ちた余韻は食べ慣れた大人たちを唸らせ、「おいしい」と素直な感嘆がこぼれ落ちます。
「ぐる~り糸島・唐津」より提供
この日の椀物は銀杏の葛寄せ豆腐にアラと松茸を合わせたもの。蓋を取れば、松茸と柚子、澄んだだしの香りがふわりと立ち上り、自然と心がほどけていきます。続いて広がるのはアラの凝縮した旨みです。また、写真右の里芋と舞茸、足赤海老、いんげん、銀杏のあんかけもまた見事。すべての塩梅が美しく調和し、旨みをたたえたあんは、ひとしずくも残したくないほどです。
締めくくりには、茶の湯を嗜む平田さん自らが点てる薄茶と、自家製の茶菓子が供されます。料理、空間、もてなし――日本の美意識が息づくこの店で過ごすひとときは、心を整えてくれます。
雪の音を聴くように静かに味覚を研ぎ澄まし、四季の味わいに浸る
「ぐる~り糸島・唐津」より提供
静かに雪を聴くような趣を名に宿す「聴雪庵」。カウンターわずか6席の特等席では、肩の力を抜きながら、日本料理の真髄にゆったりと浸ることができます。店主・佐々木拓也さんは、大阪で日本料理、寿司、蕎麦と幅広く修業を重ねた稀有な料理人。それでもなお「もっと美味しく」と研鑽をやめることなく、日々己の腕を磨き続けています。その真摯な姿勢こそが、訪れるたびに味わいが深まる理由であり、客の心を捉えて離さない所以でしょう。
女将・ジュリーさんの朗らかなもてなしと、佐々木さんとの心地よい掛け合いもまた、この店の魅力の一つ。和やかな空気に包まれながら供されるのは、器の中に四季を映した料理の数々。一皿ごとにゆるやかに心がほどけ、満たされていくのを感じます。
「ぐる~り糸島・唐津」より提供
かつて山の恵みを学ぶため、宮崎・椎葉村に身を置いた佐々木さん。その縁を今に伝える猪肉の炊き合わせは、大根、原木椎茸、人参とともに滋味を重ね、しみじみとした余韻をもたらします。椀物には銀杏豆腐と車海老、自家製湯葉。澄んだだしの旨みが際立ち、ひと雫にまで行き届いた研鑽の深さが伝わってきます。
「召し上がった後の“食後感”を大切にしたい」と語る佐々木さん。安らぎと高揚、その2つが重なり合う余韻に包まれて、店を後にする頃には、心まで満ち足りていることでしょう。
炭火が引き出す佐賀牛の旨み
「ぐる~り糸島・唐津」より提供
唐津の賑やかな商店街近くに静かに佇む「sumi-bi Yoshimuraya」。こちらは佐賀県東松浦郡玄海町の中山牧場でていねいに育てられた佐賀牛と鮮度抜群のホルモンを炭火で味わえる大人のための一軒です。京都や大阪で日本料理の経験を経て、素材を見極める確かな目と繊細な技を身につけた店主の吉村直人さんが、地元唐津に自店をオープンしたのは20数年前のこと。和食ではなく焼肉を選んだのは、関西で出会った美味しいホルモンがきっかけだったとか。以来、佐賀牛とホルモンを目当てに多くの常連さんが通う、地元でも指折りの名店となりました。
こちらでは好きな部位を選んで注文することもできますが、初めて訪れるなら盛り合わせがおすすめ。赤身、霜降り、希少部位までさまざまな部位を、それぞれの持ち味を生かす切り方で供される佐賀牛は、同じ牛とは思えないほど多彩な味わい。炭火にかざして好みの焼き加減でいただくと、口中に旨みが広がります。
「ぐる~り糸島・唐津」より提供
さらに、その魅力は肉の種類の豊富さや美味しさだけにとどまらず、サイドメニューの充実ぶりにもあります。「牛テールスープ」(2,400円)や写真の「トマトサラダ」(830円)など、どれも丁寧に仕立てられたものばかりで、食事の満足度をさらに高めてくれます。
カウンターや座敷、個室も備えた店内は、一人でもグループやファミリーでも楽しめる、上質でありながら気負わず過ごせる心地よい空間。その雰囲気のよさも、多くの人に愛される理由の一つです。
ほかにも数多くの名店がそれぞれに磨き上げた技と感性で腕を振るう唐津。海の幸、山の幸に恵まれたこの土地ならではの豊かな食材と、料理人たちの確かな技が織りなす一皿一皿は、ここでしか味わえない特別なものです。次の旅の目的に、唐津での美食体験はいかがでしょうか。
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