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佐賀県最古の酒蔵が進化。全面リニューアルした「佐嘉酒造」を徹底レポ!

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全国屈指の酒どころとして知られる佐賀県。脊振山系や多良岳山系に育まれた清らかな水、良質な酒米、磨き上げられた杜氏の技術が結びつき、数々の銘酒を生み出してきました。

今回ご紹介する、1688年(元禄元年)に創業した佐賀県最古の酒蔵を起源とする「佐嘉(さが)酒造」もその一つ。2026年4月に大規模な全面リニューアルが完了し、進化を遂げた施設内や酒造りの全貌をレポートします。

300余年の伝統を未来へつなぐ

ここは代表銘柄「窓乃梅」をはじめとする酒造りを続けてきた老舗で、4年前に「地域みらいグループ(※)」の傘下に入り、蔵の名称を「佐嘉酒造」へ改称。「酒蔵の歴史や伝統を受け継ぎながらも、佐賀の酒文化そのものを未来へつなぐ存在でありたい」という思いを込め、さらなる発展を目指してきました。そして、この度ついに「次の300年」を見据えた大規模な酒蔵刷新プロジェクトが実現。

※※地域みらいグループ=建築、地域土木を中心に、地域創生や教育福祉の領域まで多角的に事業を展開する企業グループ。「人財を育て、技術を伝承することで地域のみらいを創造する」をミッションに掲げ、地域に根付く伝統や文化を未来へつなぐ取り組みを進めている。

佐賀平野の豊かな田園風景に囲まれた、佐賀市久保田町に位置

嘉瀬川のほとりに位置する約1万1200平方メートルもの広大な敷地内に、約3年をかけて「樽貯蔵庫」「醸造所」「瓶詰工場」「冷蔵貯蔵庫」「ショップ併設の事務所」の5棟を新設し、酒造りの拠点を一新しました。

総合設計監修・施工を手掛けたのは、同じく元禄時代に源流を持つ住友林業。建物の外観は、日本酒の原料である白米や有田焼の白磁を想起させる白と、伝統的な酒蔵の黒塀や黒漆器を思わせる黒でまとめ、シンプルかつシャープなデザインへと生まれ変わっています。

一方で、100年以上前につくられた水路の一部や、樹齢100年を超える御神木の大楠、夫婦銀杏、恵比寿像などはそのままの形で現存。水路周辺には、日本の里山の樹木を植栽した「里山の小径」も誕生し、歴史と四季折々の自然を感じられる空間となっています。

施設内は無料で見学可能!

「里山の小径」の先にある「受付・ショップ」。大きな暖簾が目印

また、来訪者が酒造りの魅力を五感で体感できる“地域に開かれた酒蔵”へ生まれ変わったことも、大きなポイントです。酒蔵を訪れたらまずは、入口から向かって左手にある「受付・ショップ(事務所棟)」で受け付けを。予約なしでも「醸造所」や「樽貯蔵庫」は自由に見学できますが、予め予約をしておけばスタッフに案内してもらうこともできますよ。

最新の「醸造所」を見学

伝統的な小仕込みにこだわりながら、年間を通して醸造できる設備へ生まれ変わった

最初に案内されたのは、酒造りに関わるすべての設備、機器が最新のものに刷新された「醸造所」。ここでは、ガラス越しに酒造りの様子を見学することができます。

醸造の指揮を執るのは、この道14年の杜氏・石丸紘和さん。要となる「麹づくり」をはじめとした伝統的な手仕事に最新の技術が融合することで、“狙った味わい”を高レベルで実現できるようになったといいます。

見学スペースでは、蔵の歴史や酒造りの様子、こだわりを知ることができる動画も上演されていますよ。人の手を一切介さずに洗米・浸漬・蒸米でき、吸水率を一粒ずつセンサーで管理できるシステムや、工程ごとに異なる温度・湿度・時間を徹底管理できる設備に驚きです。

また「この地ならではの味を追求したい」との思いから、仕込み水も刷新。高度なろ過システムを導入することで、嘉瀬川の源流・脊振山系の深層地下水を使用できるようになりました。この地下水は、日本三大銘醸地の一つである広島県西条に似た中硬水で、旨味とキレが両立した飲み飽きない酒質に仕上がるのが最大の特徴だとか。

空間デザインも圧巻の「樽貯蔵庫」

続いて訪れたのは、長期熟成の焼酎を貯蔵する「樽貯蔵庫」です。昔ながらの酒蔵を表現したという空間は天井が高く、木構造のフレームがあらわになった荘厳なデザインは圧巻。庫内には、県産大麦を使う麦焼酎を詰めたシェリー樽やオーク樽がずらりと並び、2階の展望ステージから庫内を眺めることもできます。今後は、酒蔵の歴史を紹介するコーナーも設置される予定です。

スタイリッシュな「ショップ」

見学後は、再び「受付・ショップ」へ。一角は写真のようなサロンスペースとなっており、ここで試飲を楽しむこともできます。「樽貯蔵庫」同様に、木が贅沢にあしらわれた空間は開放的で、窓の外には「里山の小径」の豊かな緑が広がっています。

この場所は、今後さらに進化していく予定だそうなので、公式ホームページやインスタグラム等の最新情報をお見逃しなく!

大手門にコンセプトショップも誕生

そしてもう一つ、福岡市内の方へ朗報です。2026年3月28日には、大濠公園、舞鶴公園に程近い、中央区大手門に「佐嘉酒造 福岡大手門Concept Shop」がオープンしました。福岡城のお堀、明治通り沿いにある大手門パインビルの1階で、赤いロゴと看板が目印です。

店内は広々と開放的な雰囲気。企画開発部長であり、「佐嘉酒造」のお酒の魅力を国内外に発信しているイタリア出身の熊田デーヴィドさんと、店長の船村真弓さんが笑顔で迎えてくれました。

こちらには「佐嘉酒造」の全ラインナップが揃い、試飲をして購入することができます。どんな料理に合わせるのがおすすめか……といったマリアージュの提案もしてもらえますよ。試飲用の日本酒を「エノマティック(※)」サーバーで管理している点もさすがだと感じました。

※※エノマティック=窒素ガス充填により酸化を防ぎ、厳密な温度管理で酒の風味を損なわずに提供できるサーバー

刷新された全5種類のラインナップをチェック!

左は日本酒の印象を覆すような「SAGA BLUE」(720ml 3,300円)。酸の設計に重点を置き、まるで白ワインのように華やかな香りとフルーティーさを極めた1本です。アルコール度数は8%と低く軽やかで、乾杯の1杯としてはもちろん、お刺身や前菜料理ともよく合います。

右は現在予約受付中で、9月以降に先行受け渡し、2027年4月に正式リリース予定の「SAGA FOREST Bitter green」(720ml 4,400円)。その名の通り、日本酒のもつほのかな苦味をあえて引き出し、奥行きのある味わいに仕上げています。こちらは白ワインのような爽やかさに加え、森林で深呼吸をした時のようなみずみずしさとボタニカルなニュアンスが格別!

「梅ヶ谷」の名は、大正時代初期に活躍した名力士で第15代横綱・梅ヶ谷藤太郎に由来

明治時代末期に生まれ、昭和の戦後まで愛されていた銘柄「梅ヶ谷」も満を持して復活。かつての蔵が大切に保管してきた製造法を引き継ぎ、味を復元した幻ともいえる日本酒です。

使用しているのは酒造好適米の岡山県産「雄町」で、「純米」(720ml 2,200円)、「純米吟醸」(720ml 3,300円)、「純米大吟醸」(720ml 4,400円)をラインナップ。日本酒らしい力強さがありながらもキレが良く、透明感にあふれ、料理に寄り添う味わいに仕上がっています。

さらには、山田錦を磨き上げ、雑味を削いで研ぎ澄ませた贅沢な日本酒「佐嘉」の「大吟醸」や「純米大吟醸 しずく搾り」なども登場。伝統を現代の味へ調律し、香りと旨味のバランスが進化した「窓乃梅(純米・純米吟醸)」や、麦焼酎をシェリー樽で長期熟成させた芳醇な蒸留酒の「佐嘉 -SAGA- 」、ノンアルコールの「梅ヶ谷の甘酒」「梅ヶ谷 梅ジュース」も見逃せません。

日本酒の新たなおいしさや楽しみに出合える

世界の食卓に“日本酒で乾杯”の輪を広げ、幸せの瞬間を創造したい――。その思いで進化を続ける「佐嘉酒造」。主役ではなく、あくまで食事や過ごす時間に華を添える存在として日本酒を位置付けているのも素敵だと感じました。コンセプトショップ内には「日本酒がある食卓」をイメージした一角も。テーブルコーディネートは季節ごとに変わるそうで、日本酒を楽しむ際のヒントにもなりそうですね。

佐賀の「佐嘉酒造」と、福岡・大手門の「コンセプトショップ」へ出かければ、きっと新しいおいしさや日本酒の楽しみ方に出合えるはずです。

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この記事を書いたひと

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