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“違法”でも変わらない「福岡県大任町」入札非公表だけじゃなかった4つのヤバイ状況

今林隆史

福岡県大任町が公共工事の入札結果を非公表としていることに国が違法だとして改善を求めている問題です。5日の町議会一般質問で永原譲二町長は「町民を守るための措置だ」と主張し違法状態を改める考えがないことを明言しました。

ヤバイその1「議会での録音・撮影を禁止」

RKB今林隆史「広報誌で自らをヤバイと表現した大任町の永原町長。町が法律を守らない前代未聞のヤバい状況をどう説明するのでしょうか」

12月議会の一般質問が行われた福岡県大任町。町は、町政の問題を取り上げた報道を「偏っている」などと主張し議会での撮影と録音を禁止する対応を取り続けています。そこで、RKBは庁舎外から議会の映像を撮影しました。

ヤバイその2「公共工事の入札結果を非公表→法律違反」

12月5日の議会では、町が公共工事の入札結果を非公表としている問題について質問がありました。入札結果は公正な競争や不正行為排除のため入札契約適正化法で公表することが定められています。そのため国土交通大臣や総務大臣は、大任町の対応を「違法」と指摘し改善を求めています。
大任町議会・次谷隆澄議員「報道を見たり聞いたりして、正してほしい。どういう内容なのか、どういう意味があるのかみな知りたがっている」
次谷議員がこの問題について一般質問を行ったところ、永原譲二町長は当初「先週行われた委員会で説明した」としか答えませんでした。この委員会は、コロナ対策を理由に傍聴が許可されず非公開となっています。

ヤバイその3「町長が法律違反の“非公表”続けると明言」

議員が追及すると、永原町長は非公表の理由を議場でも説明しました。
永原町長「町長として町民の生命を守る責務があり、それを第一義的に考えたいと思います。あくまでも町民を守るためにこういう措置を行っています」
永原町長は違法状態を改善する意思がないと明言したのです。
永原町長「町民の方から『それはおかしい。法令を守っていくのが先で、町民の命はどうでもいい』ということであれば町民の方々から私は退場させられる」
こうした大任町の対応に国土交通省は「法律に違反しているので公表していただく必要がある」として改善を求めていますが、町側から報告はないということです。

ヤバイその4「ヤクザがソーメン売りに来るから」

永原町長は、今年4月RKBの取材に対し、非公表の理由として入札業者に対して「ヤクザがソーメンを1万円で売りに来るから」と主張していました。
永原町長音声データ「(入札結果を公表したら業者に対し)ヤクザがそうめんをなんぼか買え、冬は数の子をなんぼか買え、千円でそうめん仕入れて1万円で売るわけ。それがあるから、業者が、情報を公開せんでくれ」
5日の議会でもこの発言を繰り返し「関係先に相談した」と述べたものの、具体的にどのような対応を取ったのか説明することはありませんでした。
次谷議員「意味が分からない。理にかなっていない。町民を守るために公開して、ちゃんとした手続きを踏んでしなきゃいけないんじゃないのかなと思います。それで法律があるんじゃないかなと思いますけどね」
入札結果を非公表とすることで守ろうとしているものは本当に町民なのか。国から違法状態と指摘される「ヤバイ」状況を放置し続けている町長の姿勢が厳しく問われています。

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この記事を書いたひと

今林隆史

1976年生まれ 福岡市出身 政治・経済などのニュース取材に加え、ドキュメンタリー番組の制作にも携わる。第58次南極観測隊に同行。JNNソウル特派員として韓国の大統領選挙(2022)などを取材。気象予報士・潜水士の資格を有し、環境問題や防災、水中考古学などをライフワークとして取材する。 番組「黒い樹氷~自然からの警告~」で科学技術映像祭 内閣総理大臣賞(2009)、「甦る元寇の船~神風の正体に迫る~」同映像祭 文部科学大臣賞(2013)など受賞。