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マイクロプラスチックごみを食い止めろ!

プラスチック製品の劣化などが原因で排出される、直径5ミリ以下のマイクロプラスチックのごみ。この微細なゴミが街から川、そして海に達すると、生態系を含めた海洋汚染、引いては人体に影響する恐れがある。

熊本市の「サステナブルジャパン」代表の東濵孝明さん(38)が取り組むのは「マイクロプラスチックごみ回収装置の開発」だ。きっかけは、あるコメ農家から「用排水路を流れるプラスチックごみを回収できないか」という相談を受けたこと。

コメの栽培では肥料分をプラスチックで包む、被覆肥料が多く使われる。肥料分が徐々に溶け出すため、毎日肥料をやる手間が省けるなど、作業の効率化につながるためだ。だが、使用後のプラスチック部分は用水路に排出されてしまう。

そこで東濱さんは衣装用カラーボックスなどを使った“手作り感満載”のごみ回収装置の試作機を独自に制作。用水路の途中に設置する事で、中のフィルターに付着するゴミを除去できると考えた。だが実証実験を行った結果、回収効果はあったものの、装置の重量が重すぎたり、水路の幅に対して大きすぎたりなどの問題が。しかし、前例なき挑戦に東濱さんの心が折れる事はない。

装置の開発に打ち込む、東濵さんを追った。
取材先:サステナブルジャパン 東濵孝明 代表
住所 :熊本市中央区新市街13-10
会社HP:https://www.sustainablejapan.org/
 

取材後記

今回の取材で一番の驚きは、用水路にマイクロプラスチックごみが流れ出ているということでした。
しかし、その原因の一つなる「被覆肥料」がなければ、今の農業はなりたたないといっても過言ではありません。国や行政も具体的な対策を打ち出せていないなかの東濵さんの孤軍奮闘は、小さいながらも光を感じました。

2号機の実験で実際に稼働させたのはわずか30分ほど。
それにもかかわらずマイクロプラスチックごみがしっかりと回収できていました。製品化されて、日本各地の用水路に設置されれば、大きな効果が期待できるのではと、ワクワクした取材でした。

「用水路のマイクロプラスチックごみ回収機」の完成は近い!また取材に行きたいと思います。

(RKK熊本放送 / 徳本 光太朗)

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