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西日本最大級の安さはどうやって?「びっくり市」のからくり


福岡県に、西日本最大級の安さと集客力を誇るスーパーがある。その名も「びっくり市」!サッカーコート2面分の広い売り場に、およそ1万点のアイテム。週末の3日間で3万人が来店する。
そんな“奇跡のスーパー”びっくり市の人気のカラクリを徹底解剖だ!

人気のカラクリ①「直営の強みでびっくり価格を実現!」

西日本最大級の安さを誇るスーパー“びっくり市”は福岡県直方市にある。北部九州一円から買い物客が足を運び、安価で規格外のサイズ感に魅了される。サッカーコート2面分の店内におよそ1万点の商品が並ぶが、なんといっても目玉は「肉」。

名物「わらじステーキ」は武田伊央アナの顔のサイズよりも大きく値段も破格。クオリティに自信ありのオリジナルブランドの「山形牛」は1頭買いしているので安価で提供できる。
*値段は変動

さらに!惣菜コーナーで不動の人気を誇る「肉まん」は1個100円! 国産豚を使用した餡は肉汁たっぷりで客の満足度を上げる。肉の安さが実現できるからくりは、「直売」だから。

びっくり市の母体である明治屋産業は肉の卸業も営んでいる。60年前、地元市民から肉をわけてほしいという声が上がったことからお店を始めることになった。今もなお月~木は本来の肉の卸業、金・土・日の3日間だけびっくり市がオープンするというわけだ。

肉だけで無く、野菜・魚も充実している特徴も客を飽きさせない理由の1つ。ただ、専門で無い分野は、テナント制をとっている。しかも複数店舗を競合させる。なぜそうするのか?? それは、テナント企業同士の競争力をあげるため! 競い合うことで商品の仕入れ、価格ともに、客が喜ぶ結果につながっていくのだ。テナント企業側にもメリットがある。個店で営業するより週末3万人を必ず来場させるびっくり市でお店を出す方が売り上げもヨメル。よく考えられたシステムだ。

独自の販売戦略もスゴい! 金曜日は全ての商品が1割引である「スーパーフライデー」日曜日は半額商品もざら!売り尽くしセール。
さらに、今年から導入した「土曜朝市」と毎日何かを仕掛けている。

フードコートも安くてうまいものばかり、イベントも開催するなどして家族全員楽しむことができるワンダーランドを演出しているのも心憎い。

週末に集中して、客の満足度を上げる商品をそろえる戦略は、他店にとっても選択と集中が実践されている販売方法として、参考になるのではないだろうか。
福岡県直方市にある「直方がんだびっくり市」は、肉の卸問屋「明治屋産業」直営の巨大ローカルスーパー。1976年に開業し、その価格はまさに“びっくり尽くし”だ。
営業は毎週金・土・日の3日間で、他の日は肉の卸し業や精肉加工を行っている。卸問屋直営だからこその品質と安さで、お客さんのニーズに応えている。
多い時は3日間で200キロ売れるという牛肉の「わらじステーキ」。1枚300グラムで500円切りの衝撃価格だ。肉のプロであるスタッフが自社で加工することでコストダウンを実現している。鮮度にもこだわり、切りたての精肉をその日のうちに販売している。
さらにはオリジナルのブランド牛も手掛けている。契約牧場で育てた黒毛和牛を1頭買いすることで、ブランド牛ではありえないびっくり価格で販売している。

人気のカラクリ②「テナント制の導入で競争力アップ!」

実は、野菜売り場と鮮魚売り場の店舗はテナントだ。それぞれ4店舗と2店舗入っている。
テナント側からすると、他の場所では難しい集客も、ここであれば自然とクリアできるという。びっくり市側としては、同業種のテナントを入れることで価格や鮮度などに競争が生まれ、お客さんの選択肢も広がる。同時にびっくり市の人気も上昇…というわけで、これも戦略の1つだ。
ここに来れば多様な店があり、ほとんどの食料品の買い物が完結することがメリットだ。“皆でお客さんを呼んで、楽しく買い物をしてもらいたい”。その思いは同じだ。

人気のカラクリ③「独自のセール&秘策でお客さんを魅了!」

平日である金曜日の集客アップを目指して始まった目玉企画が「びっくりフライデー」!ほとんどの商品が1割引きというなんとも嬉しい企画で、お目当てのお客さんたちが朝から行列を作る。
さらに週末最後の営業日である日曜日は、最大半額になる生鮮品の売り尽くしセールを実施。お客さんの購買意欲は爆上がりだ。

独自のセール戦略はこれだけではない。
シーズン外でも1年中常設しているというギフトコーナーも、ほとんどが半額以下というびっくり価格だ。お中元やお歳暮シーズンが終わった後に、問屋から在庫を一括で仕入れているという。
あらゆる安さの秘密は、その企業努力にあるのだ。

福岡県内のみならず九州各地からお客さんが訪れるほど、魅力あふれるびっくり市の人気は絶大だ。しかし今が一番厳しいという。原油高・円安・家畜の飼料の価格高騰などの影響で打撃を受け、一番の目玉商品である牛肉の価格も急上昇している。
そんな窮地を救う秘策となったのがなんとYouTube!公式チャンネルを立ち上げ広告を自社制作することで、お客さんへダイレクトに店のPRを発信できる。事実その効果で、これまで来店するようなことのなかった若い世代のお客さんも増えた!
誰もが魅了される“食のワンダーランド”びっくり市。昭和の古き良き時代を彷彿とさせる、人と人とがコミュニケーションしながら買い物を楽しめる空間だ。
これからもびっくり市は、“買い物がエンターテインメント”となる場を目指す!

(文:軽部 明香里)

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