PageTopButton

築100年の登録文化財が塩カフェに!直方の新たなコミュニティを訪問

北部九州・山口災害情報パートナーシップを結ぶコミュニティFM各局とRKBによるコラボ番組『ローカる!』。地域密着のコミュニティFM局のパーソナリティにとっておきの街ネタを紹介してもらう。今回は福岡県直方市にあるちょっくらじおのジャッキー岩尾こと、岩尾一豊さんと直方市内のレトロエリアにできたあるカフェを訪れた。(報告・荒木風花ディレクター)  
直方のレトロエリアにある「旧前田園本店」。登録有形文化財に指定されているが、長年シャッターが閉まったままだった。しかし、今年4月に突如「塩カフェ」としてオープンしたのだ。夜な夜な「カンカンカン」「トントントン」という音がしていたそう。お洒落な今風のカフェとしてオープンさせたいきさつを、塩カフェオーナーの塩川孝子さんに聞いた。

塩川孝子さん:平日はお年寄りから高校生まで幅広く利用してもらっています。ここはもともと前田園本店だったということもあり、前田園の抹茶やほうじ茶を使った抹茶ラテ、ほうじ茶ラテがあります。お昼からお酒も飲めるし、夜はお酒とカフェメニューも楽しんでいただけます。
 

塩川孝子さん:ここを再利用して塩カフェをオープンさせた理由は町おこしと建物を守るためです。旦那さんと2人で半年かけて、この建物をリニューアルさせるためにDIYしました。もともと家でDIYをするのは好きだったのですが、こんなに本格的な工事は初めてで…

 

ジャッキー岩尾さん:だから「ギー」「トントントン」という音が聞こえていたんですね。

 

塩川孝子さん:追い込みでは夜中まで工事をしていました。昔の状態をそのままにしておきたくて、ほとんど手を付けていません。昔の物を使ってリノベーションしました。
 
塩カフェに入ってすぐ、アップライトピアノがある。このお店のシンボルのようだ。

塩川孝子さん:私自身が小さいころピアノを習っていました。このピアノはピアノの先生をしていた方が譲ってくださってこの場所に置くことにしました。今はストリートピアノのように、誰でも弾くことができるようにしています。小さい子供さんの発表会などがなくなっている中、ここでちょっとした発表会ができるような場所になればと思っています。

 

荒木:ピアノが乗っている「台」も特徴的ですね。

 

塩川孝子さん:ピアノが乗っている「台」は木を使って浮かびあがるようにしています。ライトアップもしていますよ。この下の台に使った木と天井の吹き抜けに使われている「木」は同じものを使用しています。

 

ジャッキー岩尾さん:木の枝を組み合わせた統一感があるデザインになっていますね。
放送した音声では塩カフェオーナーの塩川孝子さんの素敵なピアノの音色を楽しむことができる。お店でもタイミングが合えば聴くことができるかもしれない。塩カフェの2階には隠れ家的な空間が広がっていた。ゆっくりとくつろぐことができるソファやテーブルなどもあり、ここでもカフェメニューを堪能することができる。2階にある棚やソファも当時のものをきれいにして使用しているのだそう。

塩川孝子さん:昔、お茶屋さんをされていた方がお客さんとして来られることもあり、とても嬉しいです。「今までシャッターが閉まっていて寂しかった」とか「開いてて良かった」とおっしゃっていただきます。
さらに塩カフェの1階、中庭を通り抜けた先にカフェと同じぐらいの広さの建物があった。ここもDIYをしてあるものを作ろうとしているとか。

塩川孝子さん:ここをコンサートホールにしようと思っています。塩カフェでもライブをすることがありますが、もう少し広い空間で出来たらと思い、この場所をDIYしてホールを作る予定なんです。子どもからお年寄りまで、幅広くみんながくつろいでもらえるような空間を作って、それが直方の町おこしになったらいいなと思っています。
塩川さん夫婦が自分たちの手で作り上げる「塩カフェ」。およそ100年の歴史を経て、今、形を変えながら歴史を繋いでいる。これからも変化を続ける塩カフェから目が離せない。

 

来週は直方の老舗食料品店「明治屋」の新たな挑戦に迫る。

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう