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コロナで猛暑でストレスが溜まりがち…専門家が勧めるストレス解消法10パターン

記録的な猛暑に、長引くコロナ禍、物価高…とイライラや不安が募る毎日。ストレスを抱えていませんか?
「日常のストレス度合い」の調査によると、全体の約64%が「ストレスを感じている」と回答。今回はこの夏のストレスに負けない解消法をご紹介します。

「ストレス」の実態を知るために訪れたのは心療内科「アイさくらクリニック」。院長の木村先生によると、新型コロナが流行する前は比較的すぐに受診できたのが現在は受診予約が約1ヶ月待ちに。コロナ禍の約2年間でストレスを抱えて不調を訴える人が増えているそうです。

ストレスの具体的な症状としては「頭痛」「イライラする」「やる気が出ない」などが挙げられます。
木村先生曰く、要注意なのが「好きだったことが面倒くさくなる」「疲れているのに眠れない」という状態。ストレスは脳の反応なので、「睡眠時間が短い」「眠りが浅い」といった状況が続き、脳の機能が落ちてくると不安や抑うつ状態はどんどん広がっていきます。うつ状態に入ってくると、おいしく感じなかったり食べる関心が薄れたりと食欲が低下し、体重が減少していく人が多いそう。そのまま「不安障害」「気分障害」と心の疾患に繋がるケースもあるのです。
重い症状にならないためには日頃からストレスを解消していくことが大切です。ストレスを上手に管理する方法を知るため、訪れたのは久留米大学の御井キャンパス。文学部心理学科の岡村尚昌准教授は日本ストレスマネジメント学会の理事も務めるストレス研究の専門家。今回は岡村ゼミの学生も取材に協力してくれました。
※ストレスマネジメント…様々な心身の問題の要因となるストレスを適切に管理すること ※日本ストレスマネジメント学会…大学の研究者たちを中心にストレスをあらゆる角度から分析し、ストレスの解消法や回復の仕方などを社会に伝えていくことを目的とした学会
ゼミ生の小島さんは取材カメラが来てストレスを感じているようで、そのストレス度合いは10段階中6。ストレス度合いが10でなかった理由は、自分の他に2人のゼミ生がいて自分1人ではないことが大きいと話します。
ストレスを軽減するには共感できる人がいるということが必要だそう。「周りに人がどれだけいるか」ではなく「その中で自分がどれだけ受け入れられて、そこに所属しているか」ということも大きな問題になるのです。

さらに緊張感溢れるゼミ生の酒井さんのストレス度合いは10段階中7。取材を受ける機会がなかなかないことがストレスの原因になっている反面、少し楽しみだと話してくれました。「全てのストレスが“悪”という訳ではなく、ほどよいストレスは“モチベーション”にも繋がる」と岡村先生。ストレスが全く無くなるというのも問題なのだそうです。

ストレスを癒す方法のひとつに森林浴があります。久留米大学の近くにある高良山は森林浴スポット。森林浴をすることで五感から癒され、歩くことで軽い運動にもなるというメリットがあるんです。街中を歩くよりも森林浴をする方が心地よくなるだけでなく、血圧や脈拍数が低下し、アドレナリンなどストレスホルモンを抑える効果があることが分かっています。
専門家が勧める「ストレスを軽減する対処法」は心と身体の健康を維持するための「あかさたな」。日本ストレスマネジメント学会で新型コロナウイルスが増え始めた時に製作されたもので、家の中でも気軽にできるストレス対策になっています。
    • 「あ」るく…自宅の中で足踏みするだけでもOKで、神経を安定させるといわれている脳内物質セロトニンが分泌されてストレスに強くなるんだそう。
    • 「か」がむ…脚の筋力をキープするためにスクワットや椅子に座ったり立ったりという動作をしてみましょう。筋力キープだけでなく、緊張して上がった血圧を下げ、ストレスを緩和してくれます。
    • 「さ」さえる・「た」つ…脳に適度な刺激を与えてリフレッシュ。片脚立ちでバランス感覚を鍛えたり、立って家事をしたりするだけでも良いのだそう。
    • 「な」んでも食べる…バランスの良い食事で免疫力をつけ、口周りの筋肉も強化しましょう。
    • 「は」く…鼻から吸って口から長く吐く“腹式呼吸”でリラックスしましょう。岡村先生から教わった「4・7・8呼吸法」。まずは体をリラックスさせて息を吐き出します。次に4秒息を吸って、7秒止め、8秒かけて吐くというもので、吐き出す時には口をすぼめて力強く「フーッ」と出し切って下さい。これを4回セットで1日2回継続することで、不安感や不眠の解消に繋がるそうです。
スタジオコメンテーターの元オリンピック競泳代表・松田さんも大きな大会の直前には、呼吸を大切にしていたそう。最後に自分がコントロールできるのは呼吸しかないため、吐くということを意識し、集中をコントロールしていたと話します。横隔膜も動くことで腹筋に効き、腰痛にも効果的なのだそうです。
  • 「ま」るめる・「ま」わる…ストレッチや関節を回して、体をほぐしましょう。
  • 「や」すむ…疲れている時や体調が悪い時は無理せず休みましょう。
  • 「ら」じおたいそう…まんべんなく体を動かすにはラジオ体操が最適。
  • 「わ」らう…岡村先生によると「笑うことで免疫力が高まり、自律神経のバランスを整えたり脳の活性化にも繋がりストレスを解消してくれたりする」とのことです。1日1回は笑顔になれることを探してみましょう。
※日本ストレスマネジメント学会のホームページからも確認できます
ストレスの症状は3つのタイプに分けられ、その対策も異なってきます。ストレスの原因に対処することを「ストレスコーピング」と言いますが、ストレスも人によって感じ方は十人十色なので、コーピングも様々あるのだそうです。
  • 体調不良型
    症状…首や肩こりがひどい、腰痛、胃痛
    対処法…①お風呂を上手に活用②十分な睡眠③痛い・辛い個所を温めるなど休息を取ることが大切
  • いらいら型
    症状…常に緊張している、少しのことでカッとなりやすい、人の噂がすごく気になる
    対処法…①スポーツで汗を流す②スポーツ観戦で大声を出し応援する③カラオケに行き大声で歌う④叫ぶ・大声を出す⑤新聞・雑誌などを破るなど普段できないことでストレスを発散することもオススメ
  • ゆううつ型
    症状…心配事が心から離れない、自分に自信が持てない
    対処法…①自分にご褒美をする②ペットと過ごす③自然の中に身を置くなど自然の癒し効果を得て心身の健康を取り戻すことが必要
スタジオコメンテーターの松田さんは現役の頃から「メンタル=スキル」で、メンタルは強い弱いではなく、上手い下手だと考えていたそう。メンタルは生まれ持ったものではなく、自分を心地よくする方法を知っていることでコントロールできると話してくださいました。
日本ストレスマネジメント学会のホームページからストレス対策=コーピングの判定テストができるコンテンツなどもあるので、ぜひ個人個人のストレス対策にお役立て下さい。
アイさくらクリニック/福岡市中央区天神1丁目
電話番号:(092)738-8733

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