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福岡県八女市星野村「茶の文化館」で八女茶本玉露のしずく茶を堪能

北部九州・山口災害情報パートナーシップを結ぶコミュニティFM各局とRKBによるコラボ番組「ローカる!」。地域密着のコミュニティFM局のパーソナリティにとっておきの街ネタを紹介してもらう。8月は福岡県八女市にあるFM八女の中島直樹さんと「夏を全力投球」というテーマで八女の魅力を再発見。28日は名産・八女茶を堪能するべく、星野村の「茶の文化館」を訪れた。(報告・荒木風花ディレクター)  
八女市といえば一番に思い浮かぶのは「八女茶」。八女市中にお茶屋さんが点在しており、八女の住民はお気に入りのお茶屋さんでお茶を買うのだそう。しかしどこから巡っていいか分からない…という人や、八女茶のことを学びたいという人にピッタリなのが星野村にある「茶の文化館」だ。

星野村出身・茶の文化館の井上和紀さんに案内してもらった。入ってすぐ、お茶をはじめとする商品が並んでいた。

井上さん:八女茶はもちろん、八女茶を使ったお菓子やカレーなどがあります。さらに八女茶を使った石鹸もありますよ。
 
八女茶を使った商品がたくさんある中で、ディレクター荒木が度肝を抜かれたのは「八女抹茶コーラ」。八女茶とコーラの組み合わせ、どんな味がするのだろうか。

井上さん:抹茶が入っているコーラになります。苦みが際立つというより、コーラの中にほのかにお茶の香りがするという味わいになっています。お茶の味とコーラの甘みがマッチしています。小さいお子さんにも人気なんですよ。
「八女抹茶コーラ」をはじめ、八女茶を使った商品は沢山あるが、八女茶自体は30~40種類あった。玉露から煎茶まで幅広く、様々な茶畑で栽培された八女茶を楽しむことができる。入口の売店コーナーの奥には、その八女茶の歴史についての資料が展示されている。

井上さん:八女茶の栽培方法や作り方の特徴などを展示しています。八女茶の茶摘みは4~7月頭までになります。1年の間で茶摘みは4か月程度ですが、1年かけて肥料を蒔いたり、剪定したりします。
八女に来て、あらゆる場所で八女茶を楽しむことができたが、いったい八女の人は1日にどのくらいお茶を飲むのだろうか。八女出身の2人に聞いてみた。

井上さん:私は茶の文化館にいるときは7~8杯、1時間に1杯ペースで飲んでいます。のどか渇いたら八女茶を飲むというような感覚です。

 

FM八女・中島さん:私も普通に生活する中で、朝・昼・おやつの後など…5~6杯は飲んでいますね。他の地域で水や麦茶を飲む代わりに八女茶を飲んでいるという感覚です。
その八女茶、来年2023年はスペシャルな1年になるのだそう。

井上さん:来年は八女茶が始まって600年というプレミアムな年なんです。八女茶は最初、黒木町の笠原という場所で始まったと言われています。
そんな八女茶の種類も資料とともに数多く展示されている。普段飲むお茶は「煎茶」だが、星野村と言えば「玉露」。煎茶と育て方から違い、日陰にして20日間育てるそうだ。さらに「八女伝統本玉露」と呼ばれるお茶は、稲わらで覆いをかけて、それを手で摘むスタイルで、今でも伝統的な作り方をしている。その玉露は100g6,000円するものもあるとか。お茶というより「だし」のような味わいだそうだ。その玉露を茶の文化館ならではのいただき方で楽しめるという。

井上さん:玉露を茶の文化館オリジナルの「しずく茶」としてここで飲むことができます。しずく茶は蓋つきの茶碗で飲んでいただくんですが、中にお茶の葉と少量のお湯がすでに入っています。まずはその少量のお茶を飲んでいただきます。飲み方は蓋をずらして、ふたを押さえながら隙間から飲んでください。
 

荒木:いただきます!…全然苦くないお茶です。温度が結構ぬるめですね!これには何か理由が?

 

井上さん:玉露の甘みを出すために、ぬるめが良いとされています。今の一煎目は40℃です。二煎目は湯冷ましに60℃のお湯を注いでください。その後15秒ほど待って、同じような飲み方で楽しんでください。

 

荒木:甘い!

 

井上さん:二煎目、三煎目になるにつれてだんだん普段のお茶に近づいているかと思います。味の違いを楽しめるのがしずく茶の特長です。続いて80℃のお湯を多めに注いでください。

 

荒木:あ…最初に比べて渋くなってきました。

 

井上さん:熱いお湯で出すと苦みと渋みが出てきます。最初から熱いお湯を入れてしまうと、「甘味」というのが分かりづらいんです。そのため、ちょっとずつ温度を変えることで甘みを楽しんで、ちょっとずつ渋みを楽しむという飲み方になります。最後は、しずく茶の茶葉を酢醤油と塩をつけて食べます。

 

荒木:ん!美味しい!どうかな…って思ったんですが全然食べられます。副菜のような感覚ですね。酢醤油だったらご飯のお供にいいかも!

 

井上さん:お浸しのような感覚ですよね。どうしてもお湯に出した状態だと、栄養がほとんど葉っぱに残っているんです。食べないと摂取できない栄養もあるんです。お茶の葉を食べられるということを知らない人が多いのですが、抹茶などはお茶の粉なので、お茶の葉を食べているのと同じだけの栄養を取ることができるかと思います。
家で玉露を淹れた際にも茶葉まで楽しむことで、お茶の栄養をまるごと摂取できそうだ。その他、茶の文化館では「石臼を使った抹茶体験」や「ほうじ茶づくり」「和菓子作り(現在は新型コロナの影響で休止中)」が体験可能。さらに茶室もあり、10人程度のお茶会はもちろん、撮影会などでも利用できる。そこからは星野村の景色を楽しめ、季節によって紅葉や雪が舞う様子を見られるという。
茶の文化館は毎週火曜が定休日。ただし5月と夏休み時期は休みなしで営業している。なんと元日も開いており、八女茶を楽しむことができる。新年のスタートに利用する人も多いそうだ。そんな茶の文化館は来年25周年、さらに八女茶が始まって600年という節目の年だ。イベントも計画中ということで、これからも目が離せない。詳しくは茶の文化館ホームページまで。 八女で夏を全力投球し、癒された1か月となった。9月は久留米市のドリームスFMとコラボし、久留米市の魅力を再発見する。

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