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九州の名物即席ラーメン「うまかっちゃん」!意外な誕生秘話と驚きの販売戦略

“九州いうたら~♪”の通り、福岡県民にとってインスタントラーメンといえば「うまかっちゃん」だろう。ではうまかっちゃんを作っている会社はご存じだろうか。正解は「ハウス食品」!意外に感じる人も多いはず。
今回は、発売から43年を数える名物ラーメン「うまかっちゃん」の知られざる開発秘話と、九州にこだわった驚きの販売戦略に迫る!

地元にこだわり続ける名物ラーメン!

全てのうまかっちゃんは40年以上前から、古賀市にあるハウス食品の福岡工場で作られている。その数、2022年9月末時点でおよそ39億食にものぼる。

うまかっちゃんは基本的に九州・山口エリア限定での販売だ。現在は5種類が製造されているが、九州・山口・沖縄の他には、一部の商品を近畿・中四国で販売しているのみだ。
そこまで九州にこだわったラーメンがなぜ、業界大手のハウス食品で作られているのだろうか。

「うまかっちゃん」誕生秘話

1978年のこと。全国販売していたラーメンが九州エリアでは不調で、暇な時には工場の敷地内で草取りをする日々が続いていた。そこで「九州の人に愛してもらえるラーメンを作ろう」と九州担当の社員から声が上がり、“九州ラーメン開発プロジェクト”が始まった。
開発メンバーは各地のラーメンを食べ歩き、日々研究。九州出身のスタッフたちの意見を参考に、地元の主婦を集めた試食会を繰り返し、ようやく目指すラーメンが誕生した。そうして1979年、「うまかっちゃん」が発売されたのだ。
当初からほとんど変わらない、黄色が印象的なパッケージ。これは、当時売れっ子のグラフィックデザイナーだった西島伊三雄さんによるものだ。
九州らしさを打ち出すため、得意の山笠をテーマにした子どもたちのイラストと、博多弁の“うまか”に“ちゃん”を付けた親しみやすいネーミングを考案。発売と同時に大ヒット商品となった。

ハウス食品の緻密な営業戦略

もともとハウス食品は大正時代、家庭で手軽にできる画期的な即席カレーを作る会社からスタートし、“カレーのハウス”というイメージが強烈だった。現在のパッケージにこそ小さくロゴマークが入っているが、発売当初のものにはあえて「ハウス」の文字は入れなかったという。

うまかっちゃんの人気を決定づけたものが、テレビCMだった。当時『博多っ子純情』が大人気だった漫画家の長谷川法世さんと、そのキャラクターが出演。“わが街のラーメン”を強く印象づけた。
その後年々生産数を伸ばし、2021年には1年間で1億食を販売するまでになった。

「九州を元気にするプロジェクト」展開中!


2022年11月、新商品「うまかっちゃん うまくち醤油とんこつ」の記者発表が行われた。生産数も期間も限定された特別なうまかっちゃんで、地元九州の企業であるニビシ?油の「特級うまくちしょうゆ」を使用している。

このような地域企業とのコラボは、2021年からスタートしている一大プロジェクト「九州を元気にするプロジェクト」の一環だ。これは、“九州にこだわり、九州の人たちに愛され歩んできたことへの感謝を込めて、九州を元気にしたい”というもの。
他にも、竹下製菓のアイス「ブラックモンブラン」や太宰府天満宮の「梅ヶ枝餅」など、様々なジャンルでのコラボが実現しており、一般参加型の体験イベントも展開している。

発売から43年。様々なフィールドで進化を続ける「うまかっちゃん」は、“いつもある”“ないと寂しい”、そして“九州のみんなが自慢できるブランド”を目指す!

文:軽部 明香里

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この記事を書いたひと

軽部明香里

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アナウンサー、ナレーター、タレント、記者、そしてライター。東北で生まれ育ち、東京経由で九州へ。大好きな福岡と東京を拠点に活動中。またの名は、訛りすぎるアナウンサー・酒田倉子。時々出身地の山形弁を話す。<br>所属:<a href="https://litomon.jp" target="_blank" style="text-decoration: underline;">リトルモンスターエンターテインメント</a>