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佐賀城で『佐賀城下ひなまつり』が3年ぶりに開催!城下町のひな飾り・歴史探訪!3月21日まで

佐賀市では2月11日から3月21日まで「佐賀城下ひなまつり」が3年ぶりに開催されています。雛飾りはもちろん、歴史的な屋敷や買い物を楽しみながら郷土の歴史を感じることができます。

まず訪れたのは、佐賀県庁から車で約5分の場所にある柳町エリア。柳町エリアには、佐賀の歴史的建造物が立ち並んでいます。「旧三省銀行」はその一つで、明治15年に建築された伝統的な蔵造りの建物。開所当時は一般的な銀行業務ではなく、米相場の取引を生業としていたそうです。
旧三省銀行の中に入ると、まずひな人形が出迎えてくれます。ひな人形の衣装は総絞りという技法で作られていて、近くで見ると一つ一つ絞られた生地が山のようになっています。また旧三省銀行では、伝統的な鍋島段通の製作実演・販売を行っています。鍋島段通とは、江戸の元禄時代から佐賀の地で作られている日本最古の絨毯。織糸には上質な木綿を使用していて、大胆で華やかな文様が特徴です。一つ一つ手作業で作られる絨毯は、4畳半のサイズを一枚織るのに4人がかりで約2か月かかるとのこと。値段は500万円ということで、数世代にわたって使い続けることができます。
2階には、佐賀の伝統工芸として世界に名の知れた「鍋島段通」を用いたひな飾りが展示されています。今年のひな飾りは段通に背守り柄を織り込んだ“段通びな”。背守りとは子供に悪いものがつかないように着物や洋服の背中部分に施す刺?で、縁起が良いのはもちろん柄にはそれぞれ意味があるのだとか。例えば「ウサギ」は“安産”や“子孫?栄”、「トンボ」は“勝負事に勝つ”という意味合いが込められています。
佐賀城下ひなまつりの期間中は、通常2万2,000円ほどする鍋島段通小物敷を5,500円で購入できます。
続いてやってきたのは旧三省銀行のすぐ近くにある「旧古賀家」。明治17年に建てられた、古賀銀行を設立した古賀善平の住宅です。
旧古賀家に展示されているのは「鍋島小紋」のひな人形。鍋島小紋は佐賀藩の礼服・裃(かみしも)に使われました。伝統工芸とひな祭り文化が融合し、見応えのあるひな壇になっています。
旧古賀家の隣には、明治18年に建てられた「旧古賀銀行」があります。“シュガーロード”と呼ばれる長崎街道沿いに位置する旧古賀銀行では「シュガーロードフェア」を開催。佐賀の伝統的なお菓子からプリンなどのスイーツまで120種類ものお菓子を販売しています。
この期間限定で“ひなまつり”と押印された丸ぼうろ。実演・ふるまいがある日は焼き立てをいただくことができます。「くわびしぼうろ」は菱の実の皮と桑の葉のお茶を混ぜ込んだ丸ぼうろで、中は緑色。優しい甘みとお茶の香りが鼻を抜けていきます。菱の実を使用した三日月形の「ひしぼうろ」はポリフェノールがたっぷり。
シュガーロードフェアでは他にも様々なスイーツが用意されています。

旧古賀家から少し離れたところにある「徴古館」は昭和2年に建てられた歴史博物館。ひな祭り期間中に展示されているのは、藩主鍋島家の11代夫人・栄子さまと紀久子さまのおひなさまです。栄子さまの幅6mの大雛壇にはブランコ乗りの人形や洋風のひな道具などが飾られています。紀久子さまの雛壇も幅5mと大迫力で、ずらりと並んだ人形の表情やしぐさに注目です。
次に訪れたのは「旧福田家」。海運業やセメント業で財を成した実業家・福田慶四郎の家で、大正7年に建てられました。旧福田家の中は和洋折衷の造りになっていて、窓にはステンドグラスがあしらわれています。
おひなさまの衣装には「佐賀錦」を使用。佐賀錦は金銀の箔糸と絹糸を使った織物で、主に帯地や鞄、財布などの小物で使われています。
7段飾りの佐賀錦を着たおひなさまは20年前に製作されたそうですが、保存状態が良く綺麗に飾られています。このおひなさまは“1人1体を作る”という形で、製作には多くの人が携わりました。女雛を手掛けたという佐賀錦振興会の松本美紀子会長は製作に3か月かかったそうで、「袖や襟の重ね、唐衣など部分によって柄が異なるため、色の組み合わせや織り方を変えるなど細かい作業だった」と振り返りました。
他にも色々なおひなさまが展示されていて、そのおひなさまには初めて飾ったもの、子供や孫に送ったものなど様々な方の想いが込められています。
さらに旧福田家では、柔らかさと煌びやかさを兼ね備えた佐賀錦のおひなさまの販売も行われています。

佐賀城下ひなまつりは楽しいイベントや展示が目白押し!この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。

問い合わせ/佐賀城下ひなまつり実行委員会
電話番号:(0952)20-2200
 

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