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タミばあちゃんの終活~いのちと向き合った1年~

2019年第9回
制作:MRT宮崎放送
ディレクター:堺 玲奈

いつかやってくる身内の死。我が家のタミばあちゃんは去年、母と終活を始めた。タミばあちゃんは、昭和5年生まれ。名前は宮田民子(89)という。
祖母は、南の島々が日本に統治されていた時代に南洋群島パラオ島コロール村で生まれた女性だ。現在、タミばあちゃんは軽度の認知症を患う中、私の母・堺幸枝(60)とともに自分の人生をまとめるため自叙伝を書いている。さっき起きたことは覚えていなくても、いつでも覚えているのが、母と私のこと、そして幼少時代を過ごしたパラオでの思い出だ。
「パラオに行こう」それが口癖となっているタミばあちゃんのため、私たち家族は去年9月、全員が生まれて初めてとなったパラオ終活旅行を決行した。
旅は、88歳のタミばあちゃんと一緒に記憶の糸を手繰り寄せながら祖母が生まれた場所を探すことが目的だった。しかし母には別の目的もあった。祖母の生まれ故郷を目に焼き付け、自叙伝制作のためのメモを取り、写真を撮る母だったが、実はタミばあちゃんに隠し続けてきた秘密が1つあるのだ。どうしてもタミばあちゃんに言えなかった「ある人物の死」をパラオで告白しようと決意していた。孫である私が、終活を通して心を通わせていくタミばあちゃんと母の1年を追った家族のドキュメント。

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