ひめゆりからHIMEYURIへ

2017年第17回
制作:ＲＢＣ琉球放送
ﾃﾞｨﾚｸﾀｰ:吾津 洋二郎

１９４５年の沖縄戦。１５歳から１９歳までの少女が戦場に駆り出された。
ひめゆり学徒隊だ。半数以上が戦場で命を落とし、生き残った者は長い間、心身の痛みに苦しんできた。そこから立ち上がった元学徒たちは資料館を建てた。戦争の実相を伝える資料館だ。活動理念は「あらゆる戦争に反対する」。元学徒たちはそこで戦争体験を伝えてきた。来館者は開館から２８年間で２１００万人にのぼる。しかし現在、元学徒の平均年齢は８９歳。歳を重ねるごとに、体力の限界を感じてきた。そこで自分達の体験を継承する次世代の職員を育てることを決めた。資料館で共に働きながら日々、体験を引き継いでいくひめゆり独自の次世代継承は世界でも類をみない。多くの友を亡くした元ひめゆり学徒にとって、語ることは使命であり、語り継ぐことは願いだった。元学徒の思いを受け取ったひめゆりの次世代の職員は世界へ向かう。ひめゆり継承の取り組みが認められ、世界各国の平和ミュージアムの代表が集まる国際会議で発表することになったのだ。元学徒に代わって、国際舞台に立った次世代の職員。世の中から戦争を無くしたいという願いを込めて、ＨＩＭＥＹＵＲＩを発信する。