PageTopButton

古民家再生!リノベーションの新たな可能性

糸島で使われなくなった古民家をリノベーションして学生寮に再生しました。
誰も寄り付かなかった空き家は、糸島の人たちと学生の出会いの場、交流の場として生まれ変わりました。
リノベーションの新たな可能性を糸島で発見しました。

空き家をリノベして学生寮に⁉

糸島半島の豊かな自然に囲まれた九州大学伊都キャンパス。
3年前にキャンパス移転が完了し、周辺には学生向けのマンションやアパートが続々と建設されています。

九州大学の卒業生、大堂さん。学生時代は寮生活をしていました。
大堂さんは学生時代の思い出の一つとして、「地域の人たちとの交流」=「子供たちとのサマーキャンプ」を体験し、「ほかの人に貢献する喜び」が強く残っていると言います。
そんな喜びを今の学生たちにも体験してほしいと古民家をリノベーションして学生寮を作りました。

古民家リノベ寮があるのはキャンパスから自転車で10分ほどの集落。
田んぼや里山に囲まれたのどかな風景が広がっていて、もちろんコンビニなどは在りません。
築150年の古民家を再生した「熱風寮 糸」。護国神社を手掛けた宮大工さんが明治4年に建てたという由緒ある立派なお宅。
現在、住んでいる学生は6名です。古民家リノベ寮に一歩入ると、まるで田舎のおばあちゃんちに帰ってきたかのような、太い梁にしっくいの壁。歴史を感じる重厚な土間。そして学生たちの生活感が伝わってきます。

このコロナ禍で地元の方とのイベントは減っていますが、以前は一緒に餅つきをしたり、ご近所の農家がおすそ分けしてくれる梅干しや野菜、果物を頂いたりと、様々な交流がこの古民家リノベ寮で行われてきました。

新築の学生寮から越してきた3年生の矢野くん。「古民家の寮の方がくつろげて、素の自分が出せる...」と話します。
古民家が持つ癒しのパワーが、住む人をリラックスさせるのでしょうか?
寮生6人、田舎暮らしは初めて。畑仕事を手伝ったり、五右衛門風呂を手作りして薪で沸かしたお風呂に入ったり、様々な体験を楽しんでいます。
今では「自然の中に人間が住まわせてもらっている」ということを感じているようです。
 

ガレージで「寺子屋」 地域交流も!

現在までに大堂さんは5つの学生寮を開設してきました。
その中でも今年3月にオープンさせた「熱風寮 師吉(もろよし)」では、母屋の隣にある車庫をユニークな場所として作り変えました。
それは「寺子屋」、九大生の寮生たちが先生役。近所に住む小中学生に勉強を教えています。学習スケジュールは学生がしっかり管理していますが、日曜日だけなら月に6000円で学び放題というサブスク方式など今風の面白い料金設定もあります。

さらに勉強だけでなく、自然散策や山登りなど様々なことを一緒に体験する場所にもなっています。
先生役の学生たちには、子供たちの父親が野菜つくりの指導でお返し。また農作業の繁忙期には、学生たちのアルバイトが役に立ったりと、これまでなかった人間関係が生まれました。

「塾風寮 師吉(もろよし)」のリーダー、西田さんは「学生は作ったものを使ってもらえる経験があまりないので、寺子屋のような形で使ってもらえるのはとてもうれしい」と話していました。

増加する空き家対策は?

全国的に注目を集める人気の糸島エリア。
しかし空き家はこれからも増加傾向と予想されています。
高齢者には、大きな家を維持していくのは大変なこと、便利な都心部に移る方も多いのだとか。

大堂さんはこれまで築100年以上の家を、趣のあるゲストハウスとしてリノベーションしたり、伊都キャンパス近くの取り残された商店跡を、カフェとコアワーキングスペースに生まれ変わらせました。

そして最新のリノベ・チャレンジが「起業家シェアハウス」。
旧唐津街道沿いにある築130年の明治時代の建物を、起業家たちが集って自由に使えるシェアハウスに作り変えました。
起業を志す社会人と学生たち8人が新しい生活を始めています。

明治時代に棟上げされた屋根の下で、お互いを刺激しあいながら暮らす若者たち。この土地で、このリノベ古民家で、どんな未来を切り拓いていくのでしょうか?
糸島の自然、そこに暮らす人たち、そして長い年月を経た力強い家々、人と人をつなぐ新しい場となっています。

☆寮の情報はこちら
九大 熱風寮 https://yoka-gotsu.co.jp/

2021年7月6日放送



タダイマ!  毎週月~金曜 ごご3時40分

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう