PageTopButton

魔法のソーラーパネルで 世界に電気を!

環境にやさしい電源として、太陽電池市場は拡大している。しかし通常の太陽電池パネルは架台や金具が錆びてしまうため、「塩害地域」と呼ばれる臨海地域には設置できない。その課題を克服する太陽電池パネルを、熊本県八代市のパワーバンクシステム社が開発した。軽くて錆びない太陽光パネルに、国内はもちろん海外からも熱い視線が集まっている。

国内各社が、錆びない「プラスチック」製パネル開発に取り組む中、日本で初めて製品化に成功したのがパワー社の木下雅章社長(49)。特殊加工した軽量で塩水に強いパネル。プラスチックを圧着する塗料の成分や配合の割合によって、軽くて、割れたり濁ったりしないパネルが完成した。さらに、パワー社の持ち運びが可能な「軽くて曲がる」太陽光パネルは、南極観測隊の野外観測で使われている。また東日本大震災の被災地でも非常用電源として活躍した。

今年、パワー社の太陽電池パネルは、フィリピンでの国際協力機構(JICA)の事業に採択された。フィリピンでは「ミルクフィッシュ」の養殖が盛んだが、水中の酸素濃度低下に伴う大量死が発生している。電気を使ったバブリングシステムで大量死の防止を目指し、漁業者の脱貧困に貢献しようという事業だ。
電源がない所に電気を送るパワーバンクシステム社の挑戦を追う。

<取材先データ>
株式会社パワーバンクシステム
住所:〒869-4202 熊本県八代市鏡町内田1572-17
TEL:0965-52-5175
FAX:0965-52-5187
その他の情報
HP http://powerbs.co.jp/

取材後記

パワーバンクシステムは木下雅章・和子さん夫婦に、渉外担当の平野誠司さん、新人の堀井亮さん、計4人のアットホームな会社です。

社長であり、開発者でもある雅章さんについて、奥さんの和子さんいわく「家ではゴロゴロ何もしない。5人の子供(4人の子どもたち+木下さん)の長男」だそうですが「(性格に)裏表がない、(課題から)逃げない」など言葉の端々に、夫へのリスペクト、愛情があふれています。たまに自宅で、お父さんが仕事の話をするときは、「まぶしそうに」お父さんを見ているという子どもたち。この番組も「まぶしそうに」子どもたちが見てくれたらいいなぁ。

木下さんが開発したソーラーパネルは南極で使われていますが、それと同じものが、実は震災後の被災地でも活躍しました。停電していた震災直後、たまたま帰国していた南極観測隊のメンバーが被災地に持って行き、テレビが見られたと大喜びされたそうです。持ち運びできるソーラーパネル、市販されたら私も買いたいです!

フィリピンでは「ナショナルフィッシュ(国民魚)」と呼ばれているミルクフィッシュの養殖を取材しました。あまり我々にはなじみのない魚ですが、日本で言うところの 鯵(あじ)や鰯(いわし)といったところでしょうか。お味のほうは・・・少し泥臭さがあり、あまり日本人受けはしないかも(汗)。

ディレクター兼カメラマンの私ひとりでのフィリピン取材。海上の養殖生簀では、細い竹の足場の上での撮影で滑って何度か海に落ちそうになり、現地の人々から苦笑いされながらも、テープとカメラは守り抜きました!放送まで無事漕ぎ着けられたことが、何よりの喜びです。取材にご協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。

ディレクター RKK 熊本放送 小林 健太

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう

radiko 防災ムービー「あなたのスマホを、防災ラジオに。」
radiko 防災ムービー「あなたのスマホを、防災ラジオに。」