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池田さんのミカン

熊本市内から車で30分。玉名郡玉東町の山間に広がるミカン畑。その中のある一角だけ、草がぼうぼうと生い茂っていた。ここが池田道明さん(61)の畑だ。50歳の時に「農薬不使用のミカンを作る」と決意。それ以降、少しずつ農薬や有機肥料を減らし、6年前からは完全に自然農法でミカンを栽培している。作ったミカンは自然食品の店やネットを通じて販売。安全性だけでなく、その美味しさも評判だ。

自然農法への憧れは高校生の頃からあった。専門家を訪ねて話を聞いたりしたが、逆にこれで生計を立てることは無理だと思い、あきらめてきた。しかし50歳の直前、人生を後悔しない生き方をしようと、決意した。

温州ミカンを農薬を使わずに作るのは非常に難しい。周囲の反対の中、妻の由美さんは「納得できないことをできる人ではないから、説得はあきらめました」と笑う。当初は失敗の連続だったが、雑草を活かしたやり方で活路を見出し、今では若手農家のために講習会も行うほど安定した栽培ができるようになった。

池田さんのミカン栽培を通して自然に対する思いや、その人生観に迫る。

(製作:RKK熊本放送 / 清水 葉子 )

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