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躍進!ヘルシー魚うどん

宮崎県日南市の郷土料理「魚うどん」
魚のすり身をうどん状に成形したこのアイデア料理は、栄養価の高さや魚嫌いでも食べやすいということで注目が集まり、全国から注文が殺到している。

戦時中に食料不足解消のため小麦粉の代わりに漁港で余った魚を使ったことが始まりだったこの料理は、当時、見事に食糧難を救ったが、復興が進み、飽食の時代を迎えると徐々にその存在は忘れられていった。

魚食離れが進む中で「もう一度あの味を」と中心となって立ちあがったのは、漁協女性グループのメンバーだった。
当時の味の再現に始まり、現在では魚臭さをおさえ、より通常のうどんに近い商品を「日南魚うどん」として製造・販売している。地元では学校給食のメニューに採用されるなど、子ども達からの評判も上々だ。

同グループの代表を務める太田豊子さん(63歳)は「やはり若い人に食べてほしい、もっと魚を食べるきっかけにしてほしい」と話す。

原料として使用するのは近海で獲れたトビウオ。身のしまったトビウオのみで作ることで高たんぱく・低カロリーのヘルシーフードとして、これからますます注目されている。

いくら煮込んでものびない、煮込むほど味がでる郷土料理は魚食復活の救世主となれるのか進化とその真価に迫る。

<取材先データ>
会社名:日南市漁協女性部加工グループ
担当者:太田豊子さん
住所:〒889-3141 日南市大堂津2-10-1
電話番号:0987-27-2225
その他:現在、生産が追いついておらず、注文しても半年から1年待ちの状態です

取材後記

宮崎県日南市の郷土料理「魚うどん」 トビウオのすり身をうどん状に成形したこの料理は、栄養を豊富に含んでいて、血管を修復し若返らせる効果が期待できると言われ、全国から注文が殺到しています。

戦時中に食料不足解消のため小麦粉の代わりに漁港で余った魚を使ったことが始まりだったこの料理。港町の食糧危機を救ったが、飽食の時代を迎え、徐々にその存在を忘れられていきます。

そんな「魚うどん」復活の立役者となったのは地元の漁協女性部のメンバー。もっと魚を食べてほしいという思いで「魚食普及」をキーワードに試行錯誤を繰り返し、現代の魚嫌いでも食べられる「白い魚うどん」を商品開発します。 手作業でしか生まれることのないその味は、漁協のお母さんたちが愛情込めて丁寧に、食べる人のことを考えて作られた商品です。

行政の助けもあり、日に日に知名度を高めていくこの商品は、かつて戦時中に開発されたものとは味も見た目も変わっています。

昔のものをそのままにすることも大切ですが、現代人の味覚に合わせて進化していくことも郷土料理の一つの形だと気づかされる取材となりました。
担当:MRT宮崎放送 山下 淳史

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