宮崎県都城市で3代続く畜産農家を営む松山龍二さん。「都城和牛として仲間と一緒にがんばっていきたい」という強い思いを胸に、地域の誇る和牛の生産とブランド力向上に取り組んでいる。
松山さんは、30年のキャリアを持つ蹄を削る「削蹄師」としての確かな技術を生かし、立ち姿から牛の体調を的確に管理。一頭一頭の性格や好みに合わせて毎日エサの配合を微調整するという徹底した肥育により、赤身の力強い旨みと、後から来る脂の甘みが際立つ極上の肉質を生み出している。また、地域に根ざした和牛づくりを強化するためエサとなるワラを都城産に切り替えるなど、地元資源の活用を進めている。
さらに「都城和牛」の知名度アップやその魅力を広くアピールするため全国屈指の規模を誇る秋田県の「大曲の花火」へ仲間と共に出店。そして、徹底してこだわり抜いたこの和牛の海外展開を計画。その第一歩として、衛生基準などが極めて厳しくハードルが高いとされる、EU圏への輸出プロジェクトに向けて動き出した。
職人としてのこだわりを貫きながら、商売を通じて地元・都城に貢献していきたいと語る3代目・龍二さん。情熱あふれる畜産農家の取り組みと、世界への挑戦を追った。
<取材先データ>
松山畜産
松山龍二さん(50)
ホームページ等なし
取材後記
取材先で、「EU圏への輸出を考えている和牛農家さんがいる」と紹介されたのが、今回の取材のきっかけでした。
初めて牛舎に伺った際、まず目に飛び込んできたのは、これまで見たことがないほど隅々まで手入れされた牛舎の美しさでした。お話を伺う中で、松山さんの牛に対する深い愛情がひしひしと伝わってきました。
周囲の方々に取材を重ねると、皆さん口を揃えて松山さんのことを「変態」「異常」と評します。しかし、それを聞きながら「『変態』は褒め言葉だと思っています」と笑う松山さんの姿が、とても印象に残っています。このこだわりと情熱こそがあの絶品の牛肉を作っているのだなと感じました。
秋田での取材中には、オランダの取引先から価格のすり合わせに関する連絡が入る場面にも居合わせました。松山さんの抱く大きな夢が、今まさに現実へと近づいています。
(宮崎放送 和田宗一郎)
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