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食は商なり~五島うどん3代目海を渡る~

長崎県の離島・新上五島町で誕生した五島手延べうどん。素麺より太くうどんより細い。 もちもちとした食感が抜群に美味しい麺だが、販路が狭く、生産高は伸び悩んでいる。 このため、新上五島町の製麺業者と行政がタッグを組んで、数年前からヨーロッパへ売り込みを始めている。

国内での産地間競争は激しく、海外での評判を逆輸入しようとの目論見だ。 こうした中、製麺所3代目・浜崎洋敬さん(23)は、 いろんな食べ方を観光客に広めようと、大阪での修行を終え、去年12月、 兄と和食とイタリアンの店を地元でオープンした。五島うどんをメニューの中心に据えたレストランで、 浜崎さんが日替わりで提供するのは「どんゲッティ」(うどんとスパゲッテイの造語)。 開店早々、浜崎さんは年明けイタリアに渡った。 五島うどんがミラノやローマなどのイタリアの高級日本食レストランで提供されているからだ。 これも地道な販路拡大の活動の成果の一つ。

レストランでは日本での食べ方に近い料理からパスタとしてアレンジされた一皿まで。 麺の本場で五島うどんの人気はどうなのか?販路拡大へのヒントはあるのか??五島うどんの将来を背負った3代目の挑戦が始まる。

会社名:浜崎製麺所
住所:長崎県新上五島町丸尾郷13
電話:0959-54-1302

店名:麺’sはまさき
住所:長崎県新上五島町有川郷茂串2427-16
電話:0959-42-3388

五島手延べうどん全般:新上五島町観光商工課
電話:0959-42-3853

取材後記

今回の取材で特に驚いた3点をご紹介。
1つ目は取材のきっかけともなった産地と行政の地道な取り組み。
空前のうどんブームの中、残念ながら、讃岐、稲庭の後塵を拝している五島うどん。
産地間競争を勝ち抜くため、まずはヨーロッパへ売り込みをという発想に驚いた。評判を海外から国内へ。

取材してみるとこの方法はあながち遠回りではないのではと感じた。
2つ目はイタリア・ミラノで活躍する日本人シェフに九州出身やゆかりの人が多いこと。
町の担当者が現地の高級レストランに売り込みをかける際、「九州」のキーワードが心強かったと話されていたが、取材してみて確かに!と納得。

3つ目は地元の人たちの五島うどんの美味しさへの深い自信と半端ない愛情。「食べてもらえばわかる」。
この強い思いが産地、行政を動かしている。今や私もこの末席に連なる。ホント、美味しいです!
担当:NBC長崎放送 森光 正子

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