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3Dで文化財を守れ!

「人の役に立たなければ技術じゃない」西村和也さん(47)はそう語る。
今、西村さんは重要文化財を3Dスキャナーでデータ化しそれを文化財保全に生かそうとしている。3Dデータの誤差は1ミリ以下。一度、計測してしまえば、データ上のいかなる部分の寸法も知ることができる。この正確さを生かし、地震や火災といった万が一に備え文化財のデータ化を進めているのだ。

西村さんは熊本県西原村に住み、橋などの構造物調査の仕事をしていた。
しかし3年前、熊本地震で自宅は全壊。多くを失った時に、阿蘇神社が被災して復旧が難しいというニュースを目にする。 歴史ある建造物は、その古さ故、設計図などが残っていないケースもある。 そのため、震災からの復旧は写真を手掛かりにすることになる。

それを知った西村さんは3Dの技術が文化財保全に役立てられるのではと今の事業をスタートさせた。「熊本地震で被災したからこその発想」
その技術は、今京都でも活用されている。日本が世界に誇る国宝級の文化財を守る。西村さんの挑戦を追った。
■取材先
会社名:株式会社  KYOTO‘S 3D STUDIO
担当者:西村和也様(代表取締役)
住所:熊本県菊陽町津久礼2172-5
電話:096-234-7287
HP:http://k3s.jp/

取材後記

RKKは、今回取材した西村さんを、熊本地震の直後から取材しています。 自宅が全壊した西村さん。さらに壊れた自宅前の道路が「私道」だったため、 自治体からの補助金が得られず再建がままなりませんでした。 そこから、西村さんはクラウドファンディングなどあらゆる手段で前進します。

そして、ちょうど今回の番組の取材を始めた今年3月、私道が復旧しました。 共にその道路を見に行った時、西村さんは嬉しそうでした。 そんな被災経験が「3Dで文化財を守る!」という発想につながっています。 西村さんは元々バイタリティあふれる人物ですが、 被災経験から「行動しなければならない」という思いをより強くしたそうです。

実際、経営者としての動きも早く、取材期間中にも新たな大手企業との取引や 新しいプロジェクトを立ち上げています。 そんな西村さんとビールを飲みました。 顔を赤くしながら「役に立たないと技術じゃないですから」と熱く語る。 仕事が好きなんだな。素晴らしい刺激を与えてくれた人物でした。
担当:RKK熊本放送 青谷倫太郎

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