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店の佇まいとしつらえから優雅に。素材を活かす博多の寿司を

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天神大牟田線の高架のそば、大宮の住宅街で、ひときわ目を引く立派なファサード。塀の上から覗く庭の木々がシンボリックなこちらが「鮨 ほまれ」です。

鮨ほまれ 外観

見るからに高級そうな佇まいで、何の店か知らなければ戸を開けるのはなかなか勇気がいりそうです。

鮨ほまれ 店内

美しい和庭園を抜け、店に入って驚かされるのが、のびやかでゆったりとした空間が広がっていることです。壁一面を重厚な雰囲気に彩る銅板やイチョウの一枚板を用いた白木のカウンターが印象的で、特に銅板は年数を重ねるごとに色合いや表情が変わっているそう。氷の冷気で食品を保存する氷室がさりげなくあるのもこだわりを感じます。
こちらのメニューは「おまかせコース」(14,300円)のみ。季節の小鉢に始まり、お造り、煮物もしくは焼物に続いて寿司10貫が供されるのが基本です。

鮨ほまれ 小鉢 鮨ほまれ じゅんさい

最初の小鉢は真鯛の真子、白子、合馬のたけのこ、インゲンの炊き合わせ。料理長の早川修さんは「時期的にすべて春の味覚です。あくまで主役は寿司ですが、一品目から四季を感じていただけたら」と話します。早速いただいてみると、透明感のある旨味の出汁と素材の味わいが織りなす上品な味わいです。
この日は旬のはしりで「一番芽」と呼ばれるじゅんさいも添えられており、春の味覚の共演を楽しむことができました。

鮨ほまれ サヨリ

旬魚のお造り、焼き魚をいただいたあとはいよいよ寿司の登場です。
1貫目はサヨリ。この日は玄界灘で水揚げされたもので、身が美しく透き通っています。脂が少なくさっぱりとした味わいですが、飾り包丁を入れることで食感が繊細になり、魚の旨味をより感じることができました。

鮨ほまれ コハダ

2貫目はコハダです。よく見てもらうとわかると思いますが、「鮨 ほまれ」のシャリはやや茶色がかっています。ここ最近福岡でも増えている赤シャリと思いましたが、こちらは黒酢を使っているそうです。早川さんは「赤シャリはまろやな味わいが魅力なのですが、どうしても赤酢特有のクセが出ます。当店ではまろやかでありながらクセがない酢という理由から、黒酢を使用しています」と、その理由を教えてくれました。

鮨ほまれ イカ

次は玄界灘産のヤリイカ。飾り包丁を入れ、軽く表面を炙って供されます。食べてみるとねっとりとした口当たりのあとに、甘味が口いっぱいに広がりました。「鮨 ほまれ」の寿司はすべてキレのある生醤油をベースとした煮切りを塗ってあり、なにも付けずに味わいます。

鮨ほまれ 大トロ

次に供されたのは大トロ。「今日は沖縄で水揚げされた天然本マグロの最高級のものが手に入りまして。絶対の自信を持ってご提供できる逸品です」と早川さんは胸を張ります。いただいてみると、言葉通り絶品! 口の中で溶けていきます。

鮨ほまれ マグロ赤身

マグロの赤身も同じく沖縄産の天然もの。早川さんはできる限り良いネタを仕入れることをモットーにしているので毎朝、柳橋連合市場や唐人町の鮮魚店に足を運び、自らの目で見て魚を選んでいるそうです。もちろんこちらの赤身も最高においしく、モッチリと弾力を感じます。

鮨ほまれ 穴子

こちらは対馬産の穴子です。「鮨 ほまれ」では煮穴子ではなく酒で蒸し上げているそうで、驚くほどふんわりとした食感に仕上がっています。まろやかな味わいの黒酢のシャリともとっても相性が良いですね。

ほかに炙りノドグロ、生ウニ、富山産の白エビ、蒸しアワビという計10貫の握りに大満足。お酒はぜひ早川さんが厳選した日本酒を一緒に楽しんでみてください。
寿司職人歴40年以上を誇る早川さんの目利き、そして技が光る、まさに路地裏の寿司の名店。料理の内容やネタは仕入れによって日々変わるので、店を訪れるまでのお楽しみに!

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この記事を書いたひと

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