昔から、映画に登場する“イタリア人の食事場面”が大好きです。そこで描かれる陽気で幸せなムードが魅力的で、観るたびに思うのが「一度は本場でご飯が食べたい!」。そんな僕の憧れが、ここなら満たされるかもしれない──そんな予感をはらむ店が、4月6日、唐人町商店街のそばにオープンしました。
![ダイエ 外観](https://umaga.net/wp-content/uploads/2023/05/DAJE_0528W-e1685029290626-800x574.jpg)
それが「ローマの下町の大衆食堂」をテーマにした「Daje」です。出迎えるのは、調理師学校時代の盟友であるオーナーの野田聖士さんとシェフの岡田佳之さん。兵庫のトラットリアで本場のローマ料理を学び、それぞれ別の店で腕を磨いた後、学生時代の「いつか一緒に店をやろう」という約束を16年越しに果たした2人です。
![ダイエ店内](https://umaga.net/wp-content/uploads/2023/05/daje_0528r-2-e1685029601313-800x544.jpg)
イタリアのラジオ番組が流れる店内は、白を基調とした上品な趣。カウンターには10種以上の大皿料理が並び、小料理屋にも通じる“大衆感”を醸しています。「言うなればイタリアのおばんざいですね」と野田さん。店の奥には4名まで座れる半個室状のテーブル席もありました。
![ダイエ前菜2](https://umaga.net/wp-content/uploads/2023/05/daje_0528g-e1684818593352-800x544.jpeg)
![ダイエ前菜1](https://umaga.net/wp-content/uploads/2023/05/daje_0528h-1-e1684818510732-800x544.jpg)
さて、こちらのメニューはアラカルトのみ。「好きなものを好きなだけ召しあがって」との想いからコースは置かない方針です。1杯目のワインを飲んでいると、ほどなく日替わりの「前菜盛り合わせ」が到着。“おばんざい”の5種盛り(800円)にも惹かれますが、今日は2皿構成のスペシャルver(1人前1,500円)の方を選びました。1皿目は宮崎産トウモロコシ「ゴールドラッシュ」の冷製スープで、青みと苦味が残るナポリのオリーブオイルが甘い風味をピリッと引き締めます。
2皿目は糸島「持田農園」のトマトとモッツァレラのカプレーゼ、トリュフのタップナードを合わせたフォカッチャ、野菜の歯触りが快いマグロのタルタル、セモリナ粉をつけて揚げたキビナゴというサッパリめの品々でした。
![](https://umaga.net/wp-content/uploads/2023/05/DAJE_0528PP-800x1114.jpg)
驚いたのは、トラットリアなのに約15種ものピッツァがあること。しかも福岡では珍しいローマピッツァとくれば、期待も自然と高まります。
![ダイエピザ](https://umaga.net/wp-content/uploads/2023/05/daje_0528l-e1685029737241-800x601.jpg)
迷った末に超定番の「マルゲリータ」(1,500円)を頼みましたが、ローマ特有のサクッと薄い生地はやはり僕好み。生地を1~2日寝かせ、粉の旨味をしっかり引きだす仕込みも抜かりありません。さらに、その味を高めるトマトソースがまた絶品! ローマの伝統にならい、徹底的に煮込んだトマトの深い旨味は鮮烈そのものです。
![ダイエトリッパ](https://umaga.net/wp-content/uploads/2023/05/daje_0528j-e1685029788934-800x603.jpeg)
「ローマ風トリッパのトマト煮込み」(1,800円)は、そんなトマトソースの魅惑をさらに深めた逸品。4回に分けて湯通し、香味野菜とともに炊いたトリッパの食感も悶絶級ですが、それを包む濃厚なトマトソースのうまさはまさに圧巻です。それでいて余韻が爽やかなのは、ソースに加えたミントの功績でしょう。これもローマ風ソースの特徴だそうですよ。
![ダイエパスタ](https://umaga.net/wp-content/uploads/2023/05/daje_0528n-e1685029838274-800x591.jpg)
パスタも20種以上と目移りしますが、今宵はローマ伝統料理の一種「ペコリーノチーズとコショウのパスタ」(1,800円)に決定。現地では主にショートパスタが使われますが、ここではあえてナポリのパッケリを採用。巧みに乳化させたコク深いソースが、太い筒状のパスタにたっぷり絡んで艶のある食味を生みだします。アダルトな風味を加える黒胡椒も効果的で、ワインのつまみにぴったりの一皿でした。
![ダイエシェフ](https://umaga.net/wp-content/uploads/2023/05/DAJE_0528P-e1685028660154-800x509.jpg)
「ウチはあくまで食堂なので、グラスワインにパスタやピッツァだけでも大歓迎です」と野田さん(写真右)がニッコリ。それを受けて岡田さん(同左)も「とにかく気軽に使っていただければ」と続けます。「フライドポテトに夢中なお子様の隣で、親御さんがシャンパンや上質なアテを楽しんでいる。僕らはここを、そんな風に楽しめる“地域のファミレス”にしたいんです」。
このおおらかさに加え、生真面目に作る料理も評価され、早くも予約で満席の日も多々。この愛されぶりは、「聖ちゃん」「岡っち」と呼び合う2人の和やかな空気感も大きいと思います。イタリアン好きに激推ししたい、朗らかなニューフェイスの登場ですよ。
![ダイエメニュー2](https://umaga.net/wp-content/uploads/2023/05/daje_0528a-1-800x1067.jpg)
![ダイエメニュー3](https://umaga.net/wp-content/uploads/2023/05/DAJE_0528KK-800x1137.jpg)
TRATTORIA Daje(ダイエ)
福岡市中央区唐人町1-9-20-1F
092-753-6211
ジャンル:イタリア料理、ピッツァ
住所:福岡市中央区唐人町1-9-20-1F
電話番号:092-753-6211
営業時間:11:30~OS13:30(火曜休)/17:30~OS21:00
定休日:月曜
席数:カウンター6席、テーブル20席
個室:なし
メニュー:前菜盛り合わせ800円・1,500円、マルゲリータ1,500円、ペコリーノチーズとコショウのパスタ1,800円、ローマ風トリッパのトマト煮込み1,800円、ピッツァマリナーラ1,200円、唐辛子とニンニクのスパゲッティ1,500円、自家製パンチェッタ入りアマトリチャーナ1,800円、ミラノ風カツレツ2,300円
URL:https://www.instagram.com/trattoria_daje_official/
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