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難航する“再整備事業”が資材高騰で見直しへ、市長「全員が100点満点とはいかない」~2度の大火で焼損した商店街はいま

福岡県北九州市の武内市長は27日、去年の火災の前から進められていた小倉北区の旦過市場の再整備事業を見直す考えを示しました。仮設店舗への移転が進まないなど再整備事業は計画通りに進んでいるとは言えない状況でした。

店舗側から不満も「漠然とした数字も出ていない」


武内市長が視察した小倉北区の旦過市場。北九州市民の「台所」として親しまれてきましたが、老朽化や水害対策を理由におととしから再整備事業が進められていました。新たに商業施設を作る計画です。ところが、去年4月と8月、旦過市場は2度にわたって火災が発生。火災の後も、再整備事業は進められていますが、商店主からは、新たな商業施設の具体的な計画が見えないとして不安の声も聞こえます。

颯王水産・檜原賢二代表「家賃はどれだけするのか、共益費とかお金がどれだけかかるのかとか、漠然とした数字も出ていない」

また、再整備事業のため今の店舗は一時的に別の場所へ移る必要がありますが、移転先の仮設店舗が手狭なため、移転が進んでいません。
 


赤壁酒店・森野敏明店長「30坪弱でしているのに急に5坪に移ってくれと言われても到底無理。(Q移転する考えは?)ない」

理解を求める市長「全員が100点満点とはいかない」


一方、旦過市場の現状を考えて再整備事業に理解を示す商店主もいます。

燻製処いぶしや・林貴寛店主「今あるノスタルジックな雰囲気を残して欲しいとう方の声をたくさん聞きますが、安心安全、衛生とか考えると建物を新しくするのはやむを得ない」

武内市長は「旦過市場が更に魅力ある市場となるよう、旦過地区再整備計画のアップグレードを検討することにいたします」と述べ、2度の火災や資材の高騰などを理由に再整備事業を見直す考えを示しました。会見の後、武内市長は旦過市場を視察し商店主と意見交換しました。

商店主「観光市場ではなく、地元密着型の市場を継続できるような建て替えをしてほしい」
武内市長「全員が100点満点とはいかないので、しっかりとまとめてさらにプラスにしてくのか議論重ねる努力を強化したい」

市は今の計画を基に、商店主や専門家などを交えた意見交換会を実施し来年春頃には、見直しの検討結果をまとめる予定です。今の計画通り、2027年度の完成を目指す方針です。

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この記事を書いたひと

岩本大志

1991年生まれ 長崎県出身