平尾の一本木交差点から少し山荘通り側に入ったあたりに、今や中央区では珍しい木造の長屋が残る一角があります。通称「山荘小路」と呼ばれ、随分前から穴場な飲食スポットとして知られていたこの場所に、昨年新しくお目見えしたのが「よつば食堂」です。看板に「ごはんと、お酒。」と書かれているとおり、昼は定食メインの食堂、夜は日本酒に合わせた料理を提供する居酒屋として営業しています。
扉を開けて中にに入ると、店内はカウンター3席、テーブル4席という極小スペース。狭いカウンター内のキッチンで、店主の田口陽介さんと奥さんの理恵さんが夫婦で切り盛りしています。
2人はともに宮崎県延岡市の出身。陽介さんは長く料理人として東京で働いた後、故郷の宮崎ではなく福岡で独立開業する道を選びました。当初から2人でやれる小バコの物件を探していましたが福岡に移住して8カ月も条件に合う物件が見つからず、「もう諦めて延岡に戻ろうか」と思っていたそうです。そんな矢先に不動産屋から紹介されたのが、現在の店舗。居抜きのかたちで譲り受け、2023年の11月にオープンを果たしました。
ランチの一番人気は、2人が地元で食べ親しんでいたという延岡市発祥の名物料理「チキン南蛮定食」(1,000円)。揚げた鶏肉を甘酸っぱい南蛮酢にくぐらせ、卵たっぷりの自家製タルタルソースをかけたチキン南蛮はボリュームも満点です。
他にも「豚ロース生姜焼き定食」(950円)や「銀鮭いくらおろし定食」(1,200円)などの定食メニューがあり、ご飯、味噌汁のおかわりは、ランチタイム時は1人各一杯ずつ無料(夜の定食のおかわりは有料)。一部のメニューは同じ値段で弁当としてテイクアウトもできます。
夜の居酒屋メニューのイチオシは、昆布、鰹節、椎茸に数種類の魚介をブレンドした魚粉から出汁をとった「おでん」(各165円)です。かつて陽介さんが延岡で働いていた蕎麦屋のレシピをアレンジしたもので、お腹にスッと染み入るような優しい味わい。大根、ちくわ、厚揚げ、玉子などが165円均一というのも嬉しい限りです。
定番メニューの他にも、季節の食材やその日の仕入れによって黒板に書かれる日替わり料理が用意されています。写真は「カレイの煮付け」(880円)で、煮汁が染みた豆腐がこれまた美味。料理に合わせる日本酒は陽介さんが東京時代に付き合いがあったという酒屋から仕入れており、東北や関東など福岡ではなかなか見かけることのない蔵元の地酒が揃っています。
そして、この店で外せないのが、ほぐした干しアジ入りの焼き味噌を冷たい出汁でのばす宮崎の郷土料理「冷や汁」(660円)です。どんなにお腹が膨れていても、キュウリとシソのさっぱりとした清涼感が食欲をそそり、スルスルッと完食できること間違いなし。これから気温と湿度が上がる夏場にかけては、最高のシメになりますよ。
よつば食堂
福岡市中央区平尾2-17-21
092-600-2238
ジャンル:居酒屋
住所:福岡市中央区平尾2-17-21
電話番号:092-600-2238
定休日:水曜
席数:カウンター3席、テーブル4席
個室:なし
メニュー:チキン南蛮定食1,000円、銀鮭いくらおろし定食1,200円、おでん165円、手羽先の唐揚げ(2本)550円。肉厚しいたけの揚げ浸し660円、カレイの煮付け880円、和牛ロース肉どうふ1,320円、冷や汁660円
URL:https://www.instagram.com/yotsuba_shokudooo/
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