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和食の料理人が本気で作った、滋味溢れる和風ちゃんぽん

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"出汁が命"ともいわれる和食の世界では、出汁の完成度が料理の善し悪しを決めるといっても過言ではありません。出汁を"引く"と表現されるように、その極意は素材のうま味を引き出すことにあり、料理人にとってもっとも大切な基本中の基本。そんな極上の出汁をベースにした料理を提供しているのが、その名も「だし家横丁 まえだ」です。
夜の営業ではおよそ100種類もの料理がメニューに並んでいますが、昼のランチタイムは限定45食の名物「玉川ちゃんぽん」のみ。この道40年になるという熟練料理人の前田宏司さんが、本気で作った自信作です。

まえだ_外観

西鉄高宮駅にほど近い住宅街の一角にある店は、出汁をイメージしたロゴマークが染められた白い暖簾が目印。一見すると入口のドアは民家の玄関のようで、2年前に店を移転する際に住戸の1階を改装した自宅兼店舗だとか。以前は夜営業のみでしたが、移転リニューアルを機にランチ営業を始めるにあたってメインに据えたのがちゃんぽんでした。もともと従業員用のまかないとして作っていたそうですが、博多の郷土料理「水炊き」をヒントにメニュー開発に取り組んで完成させた渾身の一杯です。

まえだ_料理1

白木のお盆に白磁の丼で提供される「玉川ちゃんぽん」(1,000円)は、見た目も麗しい端正なルックス。乳白色のスープから顔を出す具材の上に、うず高く盛られた細切りネギの鮮やかな緑色がアクセントになり、初見から期待感が高まります。

まえだ_料理2

やや中途半端に思える45食限定というのは寸胴鍋で一度に仕込む量が基準になっており、鶏ガラと香味野菜からうま味をじっくり煮出したスープをレンゲで掬うと上品な香りが鼻孔をくすぐります。一口啜ったときのファーストインプレッションはなんともマイルドな口あたりで雑味がなく、それでいて重層的かつ複雑な味わい。素材のうま味を引き出す一番出汁にも通じる、匠の技を感じます。

まえだ_料理3

何度も試作を重ねて製麺所に特注したという中太麺は、ツルッとした食感にコシのある歯応えが身上です。具材は豚肉に海老、イカ、ホタテ、アサリなどの魚介類、キャベツ、人参、モヤシの野菜、チクワ、カマボコ、鶏のつくねなど10種類以上。中でも特筆すべきは水炊きを思わせる鶏のつくねで、軟骨を混ぜた歯応えのある挽肉を寄せ鍋用の出汁で下味を付けています。
これほどまでの具沢山にもかかわらず、海老はプリップリ、キャベツはシャキシャキと素材それぞれの持ち味を生かした火入れ加減が絶妙です! スープ、麺、具材が三位一体となり、バランスよく整えられた完成度の高さに脱帽しました。

まえだ_店内2 まえだ_店内2

店内はカウンターとテーブル席のほかに一段上がった掘りごたつ席があり、約130種類もの焼酎の瓶ががズラリと並ぶのはまさに壮観! 昼は名物の和風ちゃんぽん、夜は自慢の出汁を使った多彩な料理が楽しめる、路地裏の名店です。

店舗名:だし家横丁 まえだ
ジャンル:居酒屋、鍋、麺
電話番号:092-552-7630
営業時間:11:00~OS13:30/17:00~OS22:30
定休日:日曜、第1・3月曜
席数:カウンター5席、テーブル10席、掘りごたつ12席
個室:なし
メニュー:【昼】玉川ちゃんぽん1,000円、おにぎり100円/【夜】大皿料理450円~、刺身盛り合わせ1,350円、だし巻玉子680円、さつま地鶏塩焼950円、天ぷら盛り合わせ1,350円、鯛あら炊き1,600円、おまかせコース3,300円~、水炊きコース3,800円
URL:https://www.instagram.com/dashiyayokocho_maeda/

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この記事を書いたひと

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