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上質フレンチをカウンターでお気軽に。対馬産ジビエのメイン料理も魅力!

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「ハレの日に選ぶ店」とくれば、まず思い浮かぶのが格式ある高級店でしょう。けれども、同席者や目的によっては「もっとカジュアルな方が良いな」というケースも多いはず──そう、肩肘張らず、心に残る美食を楽しめる店が。今回訪ねたのは、まさにその条件にぴったりのフレンチ店でした。

TABATA店内 TABATA個室

それが薬院六つ角近くにある「Le comptoir de TABATA」です。交通量の多い道沿いながら、ビル2階にあるため喧騒はほとんど感じません。
ドアを開けるとビストロを思わせるカウンター席があり、その向こうで田畑伸弥さんと奈保子さんが笑顔で迎えてくれました。店名に「comptoir=カウンター」を冠したように、客とのコミュニケーションを大切にしたいと願うオーナー夫妻です。

カウンターや厨房が広めなせいか、店内は見た目以上にゆったり快適。車道側の壁が全面ガラス張りなのも解放感を増しています。絶えず行き交う窓外のヘッドライトも、高みから見ると華やかなネオンのよう。一番奥には3席の個室もあり、ランチタイムはお子様同伴もできますよ。

TABATAアミューズ

2013年オープンの「TABATA」では、九州の食材をちりばめた12,100円のディナーコースが味わえます。クラシックフレンチの素養を磨いたシェフの伸弥さんが、丹念にこしらえる料理には長年のファンも多いとか。

その開幕を告げるのが、名物の「フォアグラ・ブリュレクレープ」です。角切りリンゴを加えたフォアグラムースをクレープ生地で巻き、表面をキャラメリゼしたスペシャリテ。香ばしさの中から膨らむ甘味・酸味・苦味の和音が素晴らしく、食べ終えるのが惜しいほどでした。一見シンプルですが、緻密な手間と計算を重ねた味は「TABATA」を象徴する逸品と言えるでしょう。

TABATA魚料理

さらに季節感あふれるアミューズがもう1品と、2品の前菜を挟んでホクホクした魚料理が登場。この日は長浜市場直送のマナガツオで、ハマグリ、タケノコ、カブ酢漬けを用いた付け合わせも効いています。旨味濃厚なソースも印象的で、王道のフレンチらしい重厚さを醸していました。
それでいて、巧みに配した酸味のおかげで食後感はなんとも軽やか。田畑さんいわく「バターや生クリームを多めに使うので、そこは常に意識してますね」。ビネガーや柑橘類など様々な“酸”から“爽”を抽出する手腕が実に見事です。

TABATA肉料理

もちろんクライマックスの肉料理も絶品で、今宵は鹿・猪・鴨のパイ包みです。上質なジビエ特有の快い野趣も、噛むたびに快楽が沸き立つ歯応えもたまりません。
「昼夜の12,100円コースでは必ずジビエ料理をお出しします」と伸弥さん。捕獲後適切に処理を行い、約2週間熟成させた良質な部位が対馬から届くと言います。「現地で鳥獣資源の再活用を進める団体<daidai>の代表が妻の知人で、そこから縁が繋がったんです。すごく美味しい食材ですし、害獣に悩む対馬の助けになればとも思います」。自然な餌をたっぷり食べて、山野を駆けて育つという背景にも魅力的なストーリーを感じるそうです。

TABATAデザート TABATAオーナー

最後のデザートは2皿構成で、とくに2皿目のパートフィロは秀逸でした。ダークチェリーとチョコプリンを薄生地に包んで焼いた温かいスイーツ。これにドリンクと小菓子が付く全9品は、隅々からもてなしの心や食材愛が伝わる仕上がりでした。
「料理では常にバランスを重視しています。尖った個性はないけれど、僕らとの会話も含めて“楽しかった”と思っていただけたら幸せですね」。そうした謙虚さも、僕には素敵なスパイスに映ります。これぞ「TABATA」にたゆたう和みの正体。日常と非日常を行き来する温度感が気持ち良い一軒でした。

またワインを頼むなら、ソムリエの奈保子さんが厳選したシャンパーニュ1種+ワイン4種のペアリングがお勧め。飲む量で値段が決まるのがユニークで、通常は5杯で270ml(5,720円)、もう少し飲みたければ同じ5杯で400ml(7,150円)・600ml(9,130円)と好みの量で楽しめますよ。

この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。

店舗名:Le comptoir de TABATA(ル・コントワール・ド・タバタ)
ジャンル:フランス料理
住所:福岡市中央区警固1-1-10 エステートモア警固本通2F
電話番号:092-713-5239 (前日までに要予約)
営業時間:12:00~OS13:00/18:00~OS19:30
定休日:月・火曜
席数:カウンター10席
個室:2~3名
メニュー:ランチコース6,600円・12,100円、ディナーコース12,100円、ペアリング5,390円~
URL:http://le-comptoir-de-tabata.com/

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この記事を書いたひと

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