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人通りが少ない場所にひっそりと佇んでいながらも、お客が絶えないと噂の「お食事処 味よし」に潜入取材。親子経営ならではの人情味あふれる食堂の雰囲気に、心が温かくなります。
創業63年!親子3代で引き継ぐ味「お食事処 味よし」(嘉麻市鴨生240)
福岡県嘉麻市にある「お食事処 味よし」は、昭和37年創業の大衆食堂。時代を感じさせる外観に対して、店内は木目調でおしゃれな雰囲気です。
店を取り仕切るのは三代目の安藤大輔さん。二代目の安藤ひとみさんは大輔さんの母で、初代は、ひとみさんのご両親。さらに厨房には、ひとみさんの娘の夫・豊嶋一哉さんも立ち、3人で日々腕をふるっています。「味よし」は、代々、家族に守られてきた大衆食堂なのです。
午前11時のオープンとともに、常連客が続々と来店。ほとんどの方がメニューを見ずに注文しているようで、常連歴30年のお客は「同じメニューしか食べていない」と言います。
開店から1時間が過ぎると駐車場がどんどん埋まっていき、お客が次々に中へ。店内は満員御礼状態です。
そんな混雑した店内を切り盛しているのは、娘の豊嶋佳奈さんです。
創業時から変わらない「ちゃんぽん」と「カレー」
三代目・大輔さんは麺類担当。たっぷりのラードを使って焼き上げる「焼きめし」は、娘婿の一哉さんが担当。二代目のひとみさんは、秘伝の出汁で作る「カツ丼」と創業当時の味を貫く「カレーライス」を担当しています。
営業中は家族4人で休みなくフル稼働。そんな慌ただしい中、電話が鳴り響きます。なんと「味よし」では宅配の注文も受け付けているのです。出来立てアツアツを、昔ながらの出前スタイルでお届け。この懐の深さこそ、店が60年以上続く所以かもしれません。※出前料金は一律100円
そんな「味よし」を創業以来ずっと支えてきた屋台骨は「ちゃんぽん」(800円)。三代目の大輔さんは、初代である祖父の小田勇さんが作った味をぶらさないよう、作り続けているのだと言います。
常連客は「ここのちゃんぽんを食べたら他のお店は食べられない」「筑豊でここのちゃんぽんを知らない人はモグリ」と大絶賛。
白濁したスープは鶏のモミジ(足先の部分)と野菜を2時間じっくり煮込んでコク深くも深い味わいに。さらに、たっぷりの野菜と豚肉を炒めて秘伝の出汁を合わせたら「味よし」のちゃんぽんの完成です。
一見すると普通のちゃんぽんに見えなくもありませんが、ポイントは「パンチを求めないこと」だと大輔さん。高齢者の方から小さな子どもまで、幅広い年代のお客が食べられる味に仕上げているのだそうです。これが、長年愛され続ける理由なのでしょう。
また、ちゃんぽんと並んで創業時からずっと人気を誇るのが、昔ながらの「カツカレー」(900円)。お客の中には「一週間前にも食べた」という人や「福岡市からわざわざ食べに来た」なんて人もいました。
カレーの秘訣は、作り置きせずに注文後に一つひとつ作る点。さらに、カツをはじめとした肉は近くの精肉店から仕入れるなど、ほとんどの食材は国産を使うのもこだわりです。
「味よし」を語るうえで忘れてはならないもう一つのメニューは、コロッケ(1個200円)。牛ミンチ、ニンジン、タマネギ、黄身、牛乳などと一緒にホクホクに蒸したメークインを混ぜ合わせたら、タネのできあがりです。
一つでもずっしりと重量のあるコロッケは甘みがあり、お客のほとんどが頼む売り切れ御免の人気商品。もはや嘉麻市民のソウルフードといっても過言ではありません。

実は、三代目の大輔さんには「支店を展開していきたい」という夢が。その理由は、義弟である一哉さんにお店を持たせたいから。今は、そのための土台づくりをしっかりしているところなのだそうです。

「味よし」の皆さん、ご協力ありがとうございました!
ホンネでおしえて!福岡のハズさない店
Lille Curry Bar(福岡市中央区大手門)
お酒とカレーが楽しめるバー。おすすめは「ラムキーマカレー」(1,200円)で、新鮮なクラフトビール(800円~)と合わせて食べると最高!
お腹も心も幸せで満たされる「味よし」、ぜひ一度訪れてみては?
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