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音をつむぐ 音でつなぐ ~バイオリニスト・古澤巌

バイオリニスト古澤巌さん…。「新窓をあけて九州」のオープニングテーマも手掛けている日本を代表するバイオリニストの一人だ。今回は番組スタートから1年の節目という意味も含め、彼の九州での取り組みを中心に密着取材を行う。古澤のバイオリンには大きく2つのポイントがある。

一つは「新しい音への挑戦」だ。音楽エリートとして育てられた古澤ではあるが、ポップスやジャズなどを好んでいた彼はバイオリンがクラシックの枠組みだけでしか表現できないことに窮屈さを感じていた。クラッシックの枠にとどまらず日本古来の雅楽を極める東儀秀樹やイタリア留学を経たアコーディオン奏者Cobaとの共演を通して従来ではありえない音楽を模索し世に送り出している。
もう一つは「音でつながる」ことへのこだわりだ。廃校になった山里の校舎で全国から集まってきた子供達に直接バイオリンをレッスンしていくという「ミュージックキャンプ」も彼のライフワークだ。子ともたちと触れ合いながら音の楽しさや可能性を伝えていく取り組みは地元の人も巻き込んだ「音の輪」となっている。さらにお寺や神社でのコンサートをまわっての小さな「奉納コンサート」も彼のライフワークになっている。
環境の整っていない場所まで自ら出向き、観客とより近い距離で、特別な装備をせずにバイオリンの音色だけで聴く人と対話するような小規模なコンサートを行っている。音の世界を極めた古澤巌が、今目指しているものは一体何なのか。彼の日々に密着する。

(制作:RKB毎日放送 / プロデューサー兼ディレクター:吉村 聡志)

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